*Special*
U
「ピンク色の花はつむぎに似合うな。これあげるから、機嫌直せよ!ほら!」
徐に、雫は地面に咲いていた花を摘みつむぎの緩やかなウェーブに挿す。
「ぶー。つむは水色が好きなの。」
私はますます口を尖らせる。
「空が青いからいいだろ。」
しずくは空を指差す。
「それは、紺色なの!」
「じゃあ、濃い青色。」
雫は私の言葉の上に重ねるように間を空けずに言う。
すると、私は涙で視界がだんだんと滲んできたのを覚えている。
雫の顔が歪んで見える。
そんなのおかまいなしに雫は、空を見上げて
「すげー!あれ、大きいぞ。お!あれは赤い色。」
夜空の星のようにキラキラと目を輝かせながら、あっちもこっちもと動き回っている。
なんだか見ていられなくて、うつむいたらポロリと涙が零れた。
すると、キラリと夜空に星の一滴が流れる。
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