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4。


「川島ー!はよー」

「徳田君おはよー」


朝、寮から校舎内に入る時に朝練を終えた徳田君と会った。

少し汗ばんで朝日にきらきら輝く徳田君はやっぱり爽やかで格好いい。



「あ、そうだ!徳田君聞いてー!」

「なんだよ、やけにテンション高ぇな」

「えっとね実はね昨日・・・・あ」

「ん?げっ」



二人で上靴に履き替えようと下駄箱をあけた瞬間異様な匂いとともに僕の上靴が汚されてるのが目に入った。


「この精液的なのさー、もう先生とか言ったらどうだ?生ゴミとかよりたち悪いって。」

「んー、でもこれ僕のじゃないから大丈夫だよ」

「は?」

「なんかね、昨日親衛隊?っていう人たちから電話がかかってきて僕の上靴は違う安全な所にあるので安心してくださいっていう電話がかかってきたの」

「なんじゃそら・・・・」



靴箱をぱたりと閉めて端っこのほうの扉を開けると僕の上靴が姿を現した。



「ねっ」

「お前の親衛隊もやるなー。」

「ふふ、お礼言わなきゃね!」

「そうだな、で?喋りかけてたことってそのことか?」



僕は一瞬きょとんとしてしまったけど、すぐに言わなきゃ駄目なことを思い出した。


「そうそう!昨日ね、会長さんにあったの!」

「・・・・またあいつ?」

「うん!でね、すっごく綺麗な温室に連れていってもらったんだよ!」



もうほんとにすごかったんだから!言葉でしか伝わらないのが凄く悔しい。

徳田君にもいつか見てもらいたいな、会長さんに言ったら一緒に連れて行ってもらえないかな?



「あいつと関わるのやめろっつったろ?」

「どうして?凄くいい人だよ?」

「お前の友達は俺だろうが」

「?当たり前でしょ?変な徳田君!ほら、早く教室いこ!」









僕はまだ気付いてなかったんだ。

徳田君のいってる意味と、その悔しそうな顔の意味を。





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あきゅろす。
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