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1。


はじめまして。

僕の名前は“川島 渚”いたって普通の高校生です。






たぶん・・・・・。







「おーい、川島?何ぼけっとしてんだよ」

「あ、徳田君。えと、考え事」

「お前っていっつもそれだな。またあのこと?」

「あはは・・・・」





彼は徳田君、僕の高校に入ってからの友達。



ぱっとはしない彼だけど背が高くて野球部のエース。


何気にこの男子校で人気者の彼といることは少し小さくなってしまうけど、僕の誇りでもある。




「で?まだ続いてんの?ストーカー。」

「ストーカーって・・・ただの気のせいだってば」

「気のせいなわけねーだろ!毎朝毎朝下駄箱にラブレターはいれるわ、精液的なもの入れるわ、挙句の果てにはお前が使ってるシャーペンやら唾液みたいなんでベタベタにされたんだぞ!?」

「あー・・・なんかそんなこともあったね」

「現実逃避すんのやめろ」





そう、普通だ普通だと思ってた僕にも人と違うところがあって、それは彼のいうストーカーのことだ。


このストーカーのおかげで僕はこの学校でちょっとした有名人になってしまったのだ。




「だって、僕なんかストーカーしたってなんの得もないんだよ?ストーカーされてるって思った方が自意識過剰みたいで恥ずかしいじゃん・・・」


「ばっかかお前。少しは自意識過剰にもなれよ!その容姿なんだから!!!!」

「え?」



ふと横にあった窓ガラスに映った自分を見る。

そこには栗色の髪がふわふわしてて、けど開いた窓から入りこむ風が髪をさらさらとなでてくれている。

くりりとした目は長いまつげに守られていて、肌は真珠のように透き通り、ぽってりとしたおいしそうな唇。


守りたくなるような小さな背に、壊したくなるような細い体。



そう、この学園の天使。




「な・ん・だ・よ!お前は!!」

「ちょっと人の解説に入ってこないでよ。しかもこれ僕が言ったんじゃないし」

「何が普通だ!むしろ川島の普通のとこが見てみたいわ!」

「・・・朝起きれないよ。」

「それは人並み以下だろ。」




そのストーカーの人に関してはもう3ヶ月以上続いてるんだけど、僕になんの危害もないからあんまり気にしてないのが僕の言い分。




徳田君には悪いけど。




「とりあえず僕、寮に戻るね。また明日」

「おう!気をつけて帰れよ!」

「うん、ばいばーい」




徳田君は部活がない日は僕の部屋の前まで見送ってくれるけど、今日は部活があるんだって。

むしろ送ってくれなくても僕大丈夫なんだけどな・・・。



てくてくと放課後になってまばらに人がいる校舎から出て、寮の方へと歩いていく。

少し遠いのが嫌かな、朝起きれないんだよね。





「ん?あ!会長さんだ!」

「・・・・なんだ、川島君か」




僕とわかった途端に微笑んでくれる会長さん!

この人はこの学園の生徒会長さん


“明智 智明”(あけち ともあき)


ふふ、漢字で書いたら変わった名前なの!



「会長、こんなのところで何してるんですか?」

「あぁ、今から温室にいこうかなと思って」

「温室?」










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