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3。




信じてたのに、智明さんじゃないって、かっこいいって思ってたのに・・・・



「ひどい・・・っ」



ストーカー行為も好きすぎてやるって聞いたことがあるから、好かれてるならまあいいやって思ってたけど、まさか、智明さんだったなんてっ・・・

考えがまとまらなくって矛盾してて、今僕は最低な人間なんだろう。


教室に帰ったら徳田君もいるだろうし、てゆうか授業はじまってるし・・・



「はあ・・・・僕、今日ため息ばっかりだな・・・」

「そうだな」

「なんで智明さんがストーカーなんか・・・」

「だから言っただろ?」

「うん・・・・って徳田くん!?」

「よっ」

「な、なんでこんな所に・・・」




今僕がいるところは校舎から少し離れた日陰になっているベンチ。

授業受けるのも嫌だからここに来たんだけど・・なぜ徳田君が?


「ここ、元々俺のサボり場所」

「そ、だったんだ・・・ごめんね、僕他のところにいく」

「いいって、ここにいろよ」

「でも」

「いいから」



結構走ったから疲れたし、お言葉に甘えてもう一度ベンチに座りなおす。



「徳田君、ごめんね・・・」

「ん?」

「徳田君はいつも、心配してくれたのにね」

「ああ、心配してたな」

「僕、徳田君の言葉、ちゃんと聞いとけばよかったね・・・」

「んー、まっいっか」



隣に座っていた徳田君が立ち上がり座っていた僕の前にしゃがみこむ。


ま、いっかって、何がなんだろ?



「俺、あいつ嫌いなんだよな」

「し、知ってる・・・」

「ほんでお前の周りにうろつく奴らも」

「え・・・?」

「ただ一番邪魔だったのが会長。あいつもさ、生易しいやつだから、俺になんて言ったと思う?“この事は川島君には黙っといてあげる、君は川島君にとったら大切な友達らしいから”だってさ、何様だっつの!」

「・・・徳田君?」


「挙句の果てに付き合っただ?まじ意味わかんねぇ!俺がどんだけ時間費やしてお前の側に居たんだっつの!」



目の前にいるこの人は、誰だろう。

いつもの徳田君じゃない、あの優しくて爽やかな徳田君じゃない・・。



「だから、あいつのフリしてみたんだよな、手紙で」

“私だけのものになって”

“私だけの姫”


「な、あいつの言いそうなことだろ?」


ケラケラと笑っている徳田君、そういえば、手紙が来たあの日、なんで徳田君は落ち込んでる僕に、手紙が原因ってわかったのだろう・・・




「だから心配してたんだって、あいつがお前に俺がストーカー行為してたってことをバラすんじゃないかって」

「・・・ほん、とに・・・徳田君が・・・?」

「そうだよ、ごめんな?俺そんないい奴じゃねぇの。あいつはそれを知って、お前が傷つかない様にしてたってわけ」

「・・・っ」

「おっと」


これ以上徳田君と一緒にいては駄目だと頭の中で警報が鳴り急いで立ち上がろうとするが、徳田君に抱きかかえられた。


「にがさねえから、俺欲しいものは何しても手に入れるタイプなんだよね」

「んんーっ!」


そのまま芝生の上に押し倒されて大きな手で口を塞がれる。



智明・・先輩っ・・・


僕は、僕はなんて惨めなんだろうっ

信じなきゃ駄目な人を信じなくて

信じてた人に裏切られて



なんて僕は愚かなんだろうか




涙で前がぼやけてる中、浮かんだのは最後にみた智明先輩の哀しそうな顔だった。






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