5。
その日の授業は頭に入らなくて右から左にすり抜けていった。
あの手紙は会長さんなわけがない
あんなに可愛がってくれてる会長さんがストーカーなわけがないんだから
それに姿を現すのがおこがましいと言ってるし、凄く丁寧な手紙・・・・・
きっと頭がよくって本当は中身が純粋すぎる人なんだろーなあ・・・・・
ってあれ?
考えてることから脱線しちゃった。
「川島今日元気なくね?」
「え?そう?」
「授業も全然聞いてなかったみたいだしよ、なんかあったのか?」
授業が終わって気がつけば周りはもう帰り自宅を済ませてまばらにしか人がいなかった。
目の前にはとても心配そう顔をして覗きこんできた友人の顔、徳田君がいた。
あー僕駄目だなあ
こんなにも心配してくれる友人がいるのに、人を疑うよーな事ばかり考えて、自分が凄く情けない。
「大丈夫だよ、徳田君!心配してくれてありがとう」
「・・・・またあのストーカーのことじゃないのか?」
ギクリ
「今、ギクッとしただろ」
「へっな、なんのことー?」
心配してくれてた顔から一変に怒った顔になる徳田君、喜怒哀楽すごいんだねー
「手紙をだせ!お前の悩んでる根元はそこだろうが!」
「いーやーだー!!」
「おま、こういう時だけ頑固になりやがって!」
「だって!徳田君が言う言葉わかってるし!」
「じゃあ尚更だせ!」
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「これあ明らかに会長だろ」
「うううぅ」
結局読まれてしまった
そしてやっぱり言われてしまった・・・・・
「とても身近でとかあいつくらいじゃね?」
「会長はそんなことする人じゃない、それに僕の身近にいつもいてくれるのは徳田君くらいしか・・・・・」
徳田君?
そいえばいつも側には徳田君がいた
「ちょ、おま、なんだその顔は!まさか俺を疑ってんのか!」
「そんなことないよ!徳田君は僕の大切な友達だよ!」
徳田君を疑うなんて出来ない!
「僕、寮に帰って頭冷やしてくる、ごめんね徳田君。」
「あんまり考えこむなよ、なんかあったらいつでも言え」
「ん、ありがと」
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