小説 (短編・中編)
ORION(5)
からかえば、林檎のように真っ赤になりながら喚き散らし、
楽しい事があれば、太陽のように眩しい笑顔で大笑いし、
嬉しい事があれば、花のように優しく微笑む。

その…クルクルと変わる表情が面白くて、ずっと見ていたくて。

いつからだろう…。
気が付けば、ルーシィから目が離せなくなっていた。
自然と探してしまう。求めてしまう。
その香りを、その温もりを、その姿を、その存在を…。

とても心の優しいひと。
自分よりも他人の幸せを心から願う。
星霊の事も『大切な友達』と呼び、
その星霊のためなら自らの命さえも差し出してしまう程…。

とても心の強いひと。
どんなに苦しくても歯を食いしばって立ち上がる。
そして、なんでもひとりで背負い込んでしまう。
きっと…他人に甘える事が自分自身許せないのだろう…。
だからこそ危うく…脆く壊れてしまいそうで、目が離せない。

どっぷりと溺れてしまった。
もう、抜け出せないんだ。
もう、離れられないんだ。
本当は…すごく不安なんだ。

きっと…
ルーシィがいなくなったら壊れてしまうのはオレの方だ。



もんもんもやもや…。



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あきゅろす。
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