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STUDY

 
 やっぱりなにか変だ。
 この雰囲気に流されそうになってる。
 なにをドギマギしてるんだか、自分でも分からない。

 そもそも、流される事自体ありえない。

 気張れ、おれ。

「よ、要一さん落ち着いて。とと隣の部屋に危険人物いるし下かか母さんいるし」
 ていうか、吃ったし!
 思いの外、おれは動揺していたらしい。

 心の中であれやこれやと気持ちの整理をつけようと足掻くおれをよそに、要一さんの手が、なんの躊躇いもなくTシャツの中に滑り込んできた。
 正直くすぐったい。
「差し入れ済んだら二人ともここ来ないだろ」
 冷静に指摘され、一瞬頭が白くなった。

 ……ソウデシタネ。

「だっ、だからって……んっ!」
 言いかけた声が詰まって、おれはびくりと身を竦めた。
 肌の上をするする滑っていた侵入者が、胸の突起を捉えて弾いたからだ。
「ちょっ……待っ…!」
 くすぐったいのとは別の感覚に、鳥肌が立つ。
 自由な方の手で押し退けようとしても適わない。
 身体を捩って逃げようとしても、執拗に追ってきて更に弄られる。

 うわ、なんかマジ怖くなってきた。
 力で適わないことが。
 どうも感じてしまっていることもだけど。
「よ、要一さん…ホントっ……駄目、だって…!」
 ぎゅっと目を瞑って、結構苦労しながら声を絞り出した。
 油断したら、おかしな声が出てきてしまいそうだった。

 おれ、絶対真っ赤になってるよ。
 顔が熱い。

「……あのさ、俊和」
 なんだよ、話しかけられたって応えらんねーぞ、なんて考えながら、うっすらと目を開いて要一さんを伺い見る。
 情けない事に、おれは涙を浮かべていた。
「そんな顔されたらブレーキ効かなくなっちゃうんだけど」
 物凄く近くで苦笑なんか浮かべながら、コワイことを囁かれた。

 なにが、そんなってどんな顔だって言うんだ。
 どこかのチワワみたいな、涙目なところか。

 その間もしつこく突起をもてあそんでいた手が離れ、するすると腹をなぞり、ジーンズの上からおれの大事なモノをぎゅ、と握る。
「う…っん!」
「けっこう感じやすいのかなー、半勃ちだよ」
 言うな。
 耳元で囁くな、そんなこと。
 おれは普通だ。普通なんだ。

 なんとか気を散らそうと色々考えるんだけど、体は無情にも素直に反応してしまう。
「よっ要一さ…っ、やめ、て……っ」
「無理」

 沸き起こる快感に息が上がる。
 ぷちりとボタンが外され、ファスナーを下ろされ、下着ごとジーンズをずり降ろされた。
 外気に触れた下腹部が、この暑さに関わらずひやりとする。
 じかに触れられ、その手が上下に動いて堪らず高い声が出た。
「あっ…あ!やっ…」
 やばいやばいやばい。
 恥ずかしくてたまらないのに、気持ちよくてどうしようもない。
 自分でするのとは感覚が違う。

 すっかり勃ち上がっってしまったおれのモノが、先から蜜を滲ませて、扱かれるたびに濡れた音をたてた。
「ぁ、ぁあっ…んっ」
 自分のものとも思えない喘ぎに、耳を塞ぎたくなる。
 容赦なく追い込まれて、射精感が満ちてきた。

「うっ、う…、も、馬鹿…っ!ダメ出る…!」
「イく?……いいよ」
 唇が触れるほど近く耳側で囁かれ、ぺろりと耳朶を舐められた瞬間。

「あ、ああっ、くっ……!!」
 要一さんの体にがむしゃらしがみ付き、おれは呆気なく果ててしまった。
 

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あきゅろす。
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