もっとたくさん
「この頃お天気が優れませんね」
「そういえば、もう六月だものね」
「梅雨に入る前にお蒲団を干したいのだけれど……二人分の汗も吸っていることだし」
「ま、まぁね……なんだい、その目は」
「もう厭だと僕が言っても、貴方が頑張るからですよ」
「い、いや、まぁ否定はしないけど……君、あんな顔で厭だって言っても」
「いやらしい」
「うっ。じ、じゃあ、明日からは……辛抱してみるよ……」
「え」
「君が厭なら……躯も辛いんだろうし」
「あの」
「無理をさせていたならごめ――」
「もう!どうしてそんなに真面目なんですか」
「は?」
「もう知りません!」
「??」
おしまい
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