乙女心
「どこ行ったんだ……」
「ハッ、捜さないでって言ったでしょう!」
「あっ、いた。公園のベンチなんてわかりやすい所に」
「僕もう貴方に迷惑はかけたくないんです!」
「だから、誤解だって。迷惑だなんて思ったことないから」
「嘘。言葉の端々に見えてましたよ、迷惑だって」
「それは……なんていうか、君が押せ押せで来るからなんとなく、そのー」
「ほら、否定しないじゃありませんか」
「……泣かないでおくれよ」
「だって」
「は、恥ずかしかっただけなの!」
「は」
「さ、もう帰ろう。お腹空いたでしょ」
「……はい」
「もう、どこにも行かないでね」
おしまい
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