不思議 「食べ物が美味しい季節になりましたね」 「そうだね、そろそろ鍋なんかいいかもしれないね」 「そうおっしゃると思って一式持ってきました」 「君……そういえばさりげなく僕のうちに入り浸ってるよね」 「いけませんか?」 「いいけど……悪びれないんだから」 「鶏の水炊きにしましたよ」 「時々君が怖いんだけど……僕の好みをよく知ってるよね」 「当たり前です。お慕いしているんですから、その辺りはリサーチ済みです。あ、焜炉はこの棚ですね」 「な、なぜそれを」 「リサーチ済みですよ」 「どうやって……?」 「色々、です。色々」 「色々……ね……」 おしまい [前][次] [戻る] |