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じゅういち
 
 畳に額を擦り付け、絹糸のような髪を乱してこちらを見ている。

 荒い呼吸を繰り返す理性の薄れた表情は、淫らな影を色濃く纏う。
 それでもまだ、藤太はこれからの行為に怯えていた。

「惣……そんなの、入ら、な…」
「……挿れるよ」
 呟いて、ゆっくり腰を押し進めた。
 まずカリの部分が穴に埋まる。
 慣らしたとはいえ、やはりキツい。
 そのキツさが惣次には堪らなく快感で、更に奥へと腰を進めた。
「くっ、う…っ、痛ぅ……っ!……苦し…っも、抜い、て…っ」
「大丈夫、じきに良くなる」
 畳に溜まった藤太の精液を塗り足しながら、慎重に根元まで沈めてフッと息をついた。
「兄…さん」
「はぁ、は、はぁ……キツ…い、よ」
 藤太の瞳から、涙がほろりと落ちる。
「大丈夫、大丈夫だから……」
 そう言いながら、ゆっくりと抽挿を開始する。

「あっ、や、動いたら……やだ、や……っあ!」
 痛みだけではないなにかを、藤太は感じていた。
 惣次の太い男根が、濡れた後孔を出入りするたびに、腸壁を擦られ不思議な快感が沸き起こる。
「イイですか、兄さん…っ」
「あ、あっ、惣次、わからな……っ」
「兄さん…!」

 徐々に抽挿にも慣れた頃、惣次のカリが藤太の淫を突いた。
「ひゃ…!あっ、あン!」
「気持ち良く、させてあげますから……」
 藤太の腰を掴み、ギリギリまで自身の雄を引き抜いて一気に突いた。
「ひっ!ああっ!」
「はぁ、はぁっ、兄さん…っ」
「あっ、あっ、はンっ、やだっ、や、あっ!」
 惣次は欲のままに激しく腰を打ち付けた。
 ふたりの結合部から淫媚な水音が響き、牢の中を満たしていく。
 乱暴に突き上げられながらも、藤太の陰茎はすでに反り返り、蜜とも白濁ともつかない雫が糸を引いていた。
「あんっ、あっ、あっ、ひぁっ!惣次、そ…っ!」
「…くっ…、んっ」
 藤太の感じるところを執拗に攻める。
 早く達してしまいたいのか、ゆらゆら揺れる陰茎に伸びる華奢な藤太の手を、そうはさせじと絡め取った。
「まだ、我慢…して…っ」
「や…っ!もう、あっ、あぁん!」
「兄さん、一緒、に」

 

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あきゅろす。
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