じゅう
口を吸うことで意識が分散し、指を締め付ける力がいくらか緩んだ。
そこをついてぐっと進めた指先が、ある箇所を掠めた瞬間、藤太が鼻から息を漏らし全身を硬直させて惣次にしがみついた。
(ここか)
排泄器官に潜んだ淫の部分。
見つけた途端、惣次はそこばかりを攻め立てる。
「んんーっ……!」
唇を塞がれたままで藤太は身悶えた。
濡れた音を響かせながら泌孔を攻める指が、二本三本と狭い穴を圧し広げていく。
一度射精したことですっかり萎えていた藤太の陰茎が、瞬く間に活力を取り戻して惣次の着物に染みを作った。
惣次は咥内に溜まったどちらのものともつかない唾液を飲み下し、兄の唇を開放してやる。
「んっ、あっ…!な、に…惣次、熱い……っはっ、あぁ…っん」
押し寄せる未知の快楽に囚われた瞳が、潤んで惣次を見上げてくる。
月の明かりの中でも、上気した赤い頬が見て取れた。
「ここが…いいんですね」
呟いて、更に強く刺激する。
落ち着いた振りをしてはいるが、惣次もすでに息があがり、褌の中の陰茎は度張しきってぬらぬらに濡れていた。
「やだ…こんな……あっ、あっ……くっ」
「もう……兄さん…」
ぐちゅぐちゅに熱い泌孔を掻き回しながら、藤太の身体をゆっくり俯せに畳へ押し倒す。
自分より小柄な、尻を突き出す恰好の背後に覆いかぶさり後孔を攻め続けながら、喘ぐ藤太の耳元で囁いた。
「そんなに、イイですか……」
「あっ、んっ……なん、で…はっ、あぁ!」
藤太の手がいつの間にか、自らの勃起した陰茎に伸びて、それをゆるゆると扱き始めている。
惣次の喉が、ごくりと鳴った。
「あ、あっ、もっと……ソコ…っもっと、惣次、惣次…!あぁぁっ!」
腰を惣次に擦り付けるように揺らし、藤太はせわしない手淫であっという間に二度目の射精を果たした。
「はっ、はぁっ、はぁっ……んっ」
「まだですよ、兄さん……」
もう惣次も限界だった。
急くように褌を解けば、硬直しきった男根が露を弾いてぷるんと飛び出す。
泌孔をいじめていた指を抜き、いくらか解れた藤太のそこにぴたりと先端を宛てがって、ちらりと藤太の顔を見た。
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