☆小説☆
E
何度もキスして、触れて、おかしくなりそうで。
高野さんを好きになってしまいそうで。
シャツのボタンが外される。
「た、高野さ―――っ!?」
カチャリと音がしてベルトも引か抜かれる。
「や、やめて……!待っ……」
「もう無理、待てない」
晒された体を唇が這う。
「……ひっ」
「俺の理性にも限界があるんだよ」
結局この人は嫌だと言おうが、ダメだと言おうがお構いなしなのだ。
なのに、俺が顔をしかめると、
「大丈夫?痛いか?」
なんて聞くのだ。
10年前と変わらない。
「……う……ぃッ……!」
「もうちょっとだ。力抜け」
入ってくる感覚。
熱い。
痛くて、熱くて、切なくて。
流されちゃダメなのに、
結局、昔好きだった人を嫌いに思えるはずもなく。
「高野さん………」
呟いたところで、意識はなくなった。
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