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田夏  SS 短編 
胸騒ぎの放課後(田沼SIDE)
最近はよく、夏目が遊びに来る。

――「田沼の部屋って、なんか落ち着くな。」

そう言って夏目は笑った。正直…嬉しい。
俺は一分でも一秒でも夏目と一緒に居たいから。
まぁ、俺の方は別の意味で落ち着かないけど…。


今日も来ていて、俺達は別々の本を読んでた。内容が面白くて俺はかなり没頭していたようだ。
―その時、ふと横顔に視線を感じた。
見ると、夏目がぼんやりした様子でジッとこっちを見ている。そして
「……田沼って、ほんと、格好いいな…。」
と呟いた。
「………へ?」
俺は呆けて、かなりまぬけな声を出してしまった。
そしたら夏目はハッとして、「何でもない。」と真っ赤な顔をして、慌てて視線を本に戻した。

…もしかして、見惚れてた?
いやいや、ないない。自惚れるな、自分。
俺も慌てて読書に戻ったけど、もう内容なんて頭に入ってこなかった…。


―どうしよう。どういう意味か聞いてみたい。
…聞いてもいいかな。



ドキドキ、そわそわする、そんな胸騒ぎの放課後。




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あきゅろす。
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