阿散井恋次
蓮の出来事が早朝にあってから時刻は昼をまわっていた。
風呂から上がり軽く飯を食べさせた蓮は俺に少しずつだが話すようになった。
「……と、まぁ尺魂界の説明はこのくらいか。
他になんか聞きてぇことあるか?」
『えっと、…おにぃさんのなまえはなんていうの?』
「あ〜名前言ってなかったな!
阿散井恋次。六番隊の副隊長をやってる!」
『あばらい、さん…ふくたいちょ』
「恋次で構わねぇ、それと敬語もいらねぇ。
副隊長だからって気を使うこたぁねぇし俺には普通にしてろ。」
なんでだかわからねぇが蓮には普通にしてほしかった。
その時はガキに敬語使わさせるのがただ嫌なだけだと思っていた。
『…うん!れんにぃって呼ぶ!
あ、…あさのおにぃさん、だれ?』
「あの人は“朽木白夜”隊長だ。
俺の上司で六番隊の隊長。
四大貴族つって…まぁ簡単にいえばスゲー金持ちな!んで、スゲー強い。」
『…れんにぃは、勝てない?』
「あったりまえだ!怒らせたくもねぇぜ、
だが、…いつかは朽木隊長を抜くつもりだ
!」
『れんにぃがんばって!』
「ぉう!///」
「…誰が誰を抜くと?」
「く、朽木隊長?!」
蓮と話すのに夢中なっていた俺は隊長の霊圧に気付いていなかった。
それは蓮も同じで二人して冷や汗を垂らし隊長を見上げた。
「いや!あの、これは!隊長を目標に鍛錬を頑張るっつー意味で…」
隊長を前にして「隊長を抜く」などと大口を叩いた割にこの様だ、
慌てて何を言ってるのか自分でもわかってない…。
「…恋次、席を外せ。この童に話がある。」
何も無かったかのように返された言葉は、
少なからず蓮の処分が言い渡されるのだと悟った。
「…っはい。」
『!?』
蓮には申し訳なかったが隊長の命令に背くことは出来ない。
俺が居なくなる不安からか手をぐっと握り浴衣にシワを作る蓮。
俺はそれをどうすることも出来なかった…
これから君は…
(れん、にぃ…)
(…私が怖いか?)
(!…いいえ、)
(そうか…。
安心しろ、私はお前と話をするだけだ…、)
((こくん))
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