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人を表す書






「改めて自己紹介するよ、私は五番隊隊長“藍染惣右介”だ。こっちが副隊長の“雛森桃”くん。解らないことがあれば何でも聞いておくれ、」




その優しい笑みに蓮は心を開き笑顔をみせた。白哉は無表情のままが多く、恋次は豪快に笑う。それが嫌なわけではないが、ふわり、とした笑みが心地よい何かを感じさせたのだ。





『そう?』


「惣右介、なんだが;」


『そう?』


「良いじゃないですか隊長!可愛いですよ!」


「…そうだね、でわ“そう”と呼んでくれ」


また、ふわり。



蓮は嬉しくなった。





自分を受け入れてくれたのは白哉や恋次、総隊長である山本だけだと思っていた。









そう思わざるを得ない程、隊主会での霊圧は凄まじいものであったから。






『よ、よろしくおねがいします!』









ぺこり、と頭をさげる蓮に藍染と雛森の表情は更に笑顔が増す。








「そうだね、まずは蓮くんに何をしてもらおうか…」



「そうですね…」




「…蓮くんは書道に興味があるかい?」

『しょどう?』


「書道!蓮くん!藍染隊長はすっごく書がお上手なのよ!」


「初日だからね、最近は平和な日が続いているから書でも蓮くんと書いてみようかな?」


そう藍染と雛森に言われた蓮は“書道”がどうゆうモノなのか解らぬまま頷く。






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蓮の前に置かれたのは筆と墨と半紙。


よく白哉が字を書いていたものだ。





「好きなものを書いてごらん。」




雛森は己の仕事へ、藍染は蓮の前に机を挟んで座り蓮に何かを書くように促した。



「(蓮くんは字は書けるのか?)」



内心にそんなことを思いつつ筆を手に取る蓮を見る。






蓮はというと、何を書こうか迷っていた。字を知らないわけではない。白哉の屋敷でたくさんの本を読んだ。だが、いざ書くとなると浮かばない。



筆を持ったまま半紙とにらめっこをする蓮を見て藍染は笑みを浮かべ、



「そんなに悩むことはないよ、何でもいいんだ」





そう言われた蓮は一人の人物を思い浮かべる。






藍染は蓮の顔を眺めた。

「(この子が…)」




半紙に文字を書き終えた蓮はそれを藍染へ『はい!』と差し出してきた。





「、このまま五番隊に入隊してもらいたいな。優しくて、可愛らしい字だ…まるで蓮くんみたいだよ」



『?』



その文字に藍染は笑顔が零れ、蓮の頭に手を乗せた。









「(ほんとうに、ね―――)」






















(『(よろこんで、くれた…のかな?)』)


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あきゅろす。
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