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眠る横顔



















スヤスヤと眠る蓮を抱き上げると優しい声に呼びとめられた。



「朽木隊長、」


「卯ノ花…浮竹…」


そこに居たのは声の主である四番隊隊長・卯ノ花烈、そして十三番隊隊長・浮竹十四郎だった。



「その子…蓮くんですがお体の不調などは?」

「…今のところ心配ない。」

「そうですか、それはよかった。何かありましたらすぐに四番隊へ。」


そう微笑む卯ノ花。

彼女は蓮を本当に心配して声をかけてくれたのであろう、彼女の纏う雰囲気、そして蓮の具合を聞いたときの心からの安著した表情、さすがは四番隊の隊長と言ったところだろうか。


「白哉、元気が出たら私の所にも遊びに来るよう言っておいてくれ!…どんなことを抱えていようとまだ子どもだ、清音たちも喜ぶだろう!白哉も忙しいだろうし気にせずに声をかけてくれ。」


己自身が病弱であるに関わらず得たいの知れない子どもの心配をする。これが浮竹十四郎なのだ。この人がいるからこそ結束の堅い十三番隊があるのだろうと白哉は思った。


「あぁ、その時は…頼んだ。」



そう言い白哉は六番隊隊舎へと蓮を抱えたまま足を運んだ。






「本当に白哉はあの子が心配なんだろうな」

「えぇ、優しい目をされていました。ただ…」

「ただ?」

「…これからが心配のつきない日々が続くのでしょうね、」

「…あぁ。だが、新しい“仲間”ができたことに変わりはないさ!」

「そう、ですね」


そう二人は微笑みあうと別れを告げ、自分たちの隊舎へと帰っていくのであった。






****


この隊主会から三日が過ぎようとしていた。
三日もあれば進展もあるもので、各隊で様々な動きが見られた。その中でも山本によって蓮への命が下される事になる。


−−一番隊隊長室−−



「…決まってしまったものは仕方がない。それに蓮にも良い経験となるじゃろうて」

「はぁ…、」

「雀部や、すぐに知らせを出してくれ。」

「はっ!」








−−六番隊隊舎−−



「蓮!ほれ、お土産だ」



『れんにぃありがと!』

「おう!隊長もいかがですか?俺お茶入れてきます」

『びゃくにぃ!たいやきさんおいしいよ?』

「…うむ」





−−−−−−
















“地獄”











…なんていい時に













…これは










【運命】。






「君は私に必要な人物のようだ…



蓮。」






















各々の思考の中心へと舞い込んできた一人の幼い少年。



彼もまた、何も知らない死神となんら変わりはないのだ。ただ、“地獄”という言葉に彼の運命が重なっていたのだった。

























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