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仕える心












蓮の後ろに現れた人影。






「なぁ、泣かせたのお前だろ?…て、
揃いも揃って敵意剥き出しかよ」







はぁ、と一つ溜め息をついたかと思うと、
まだ虚ろな眼で刀を構えたままの蓮の手へ己の手を重ねた。











「蓮…寝てろ、」






そう言うと蓮は刀を落とし膝をついた。




倒れる体を支えたのはソレ。








「御主……蓮の!……、みな!刀をしまい霊圧を落とすんじゃ」






「なに言ってるんですか!何者かも解らないこいつに、」

「総隊長はん、一人で理解されても困りますわぁ。…誰なんです?」





「…御主、















蓮の斬魄刀であろう」




その総隊長の一言にその場にいた全員が驚きを露わにした。











斬魄刀を具現化出来るのは席官クラスの死神で


ましてや人型に具現化出来るのは隊長格でないと有り得ない話なのだ。














「御名答。さすが爺さんだ、話が解るなー…おい、そろそろ刀しまってくれねぇか?話を進めたい。」





自分は戦う気は無いのだと手をヒラヒラとさせ蓮の斬魄刀は蓮を抱えたまま座った。






その様子をみて、





一人、



そしてまた一人…と刀をしまい元の場所に座り直した。







空気は重いまま。










最初に口を開いたのは白哉であった。







「何者だ、貴様。」


「だから、爺さんが言った通りだ。オレは蓮の斬魄刀。名は………名はまだ言えない。」


「“名が言えない”だァ?ナメてんのかテメェ!」

今にも掴み掛かりそうになった更木を止めたのは意外にも四番隊隊長、卯ノ花であった。






「十番隊長さん、まずは理由を聞いてからにしませんか?」


「チッ!」



珍しい卯ノ花の発言と行動に大人しく座り直した更木。








「実は、……まだ名は呼ばれていない。オレが今ここにいるのは俺の意志って訳。」


「意志?どういうことだ!」


問いただしたのは日番谷で蓮の斬魄刀はそちらを見る。





「あァ?ガキに教えてやるもんか」


「んだとっ…!」


ダンッ!と立ち上がった日番谷に浮竹からの制止がかかる。








「落ち着け!日番谷。…君はこちらの質問に答えてくれないと困るんだが、」

「そうやで。アンタのためにも……その子のためにも…な。」













「……わーったよ!正し、俺にも言える範囲がある。」




「…よかろう。」




突如現れた子供
突如現れた斬魄刀
そして巨大な霊圧



男の正体が述べられる時がきた――…。






















(「(俺だって名をいいたいさ、)」)

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