其の手何処の手
怖い夢を見た。
それは白哉が帰ってくる30分前に遡る。
*********
「蓮、遊ぶったって何して遊ぶんだ?」
『えっと…これ!これよんで!』
蓮が恋次に渡したもの。
“貴族の心得”
「…なんだコレ」
『びゃくにぃのお家からもってきたんだよ!』
「へぇ〜;(隊長の…だよな、、、読みたくねぇな;)」
『どうしたの?』
「いや;!
あ〜…今日は本じゃなくて、俺の同期の話してやるよ!」
『どうき?』
「あぁ!なんつーか、友達だ!友達!」
『れんにぃのおトモダチ…聞きたい!』
「よーし!
三番隊と五番隊の副隊長に吉良と雛森つーんがいるんだけどよ、
この二人とは真央霊術院で知り合ってから……」
恋次が話し出してしばらくすると蓮は眠たくなった様子で目を擦った。
「なんだ?眠たくなったか?
隊長もまだみてーだし、昼寝でもしとけ、」
そういうと蓮を抱え、近くの椅子へと横にした。
『ん〜…おやすみ、れんにぃ…』
「おー。」
蓮が眠りにつくのに時間はかからなかった。
それから数分後のことだった、蓮が泣き出したのは。
よほど怖い夢だったのか、恋次が手を悩ませていると白哉の霊圧。
『びゃくにぃ〜!』
白哉が抱えると安心したのか、鼻を啜る音だけになった。
「いやー、隊長、助かりましたよ;」
『ぅぅ…』
「蓮、お前どんな夢みたんだよ?」
白哉が無言で蓮を抱くなか恋次は蓮の夢が気になったのか、蓮に尋ねた。
『なんか、ね…あの色から手がでてきて、ぼくをおっかけるの…』
そういって蓮が指さしたのは、小さな籠に入れられた蜜柑だった。
それは今朝、恋次が同期である雛森に貰ったもの。
蓮にも食べさせてやろうと持ってきていたのだ。
「蜜柑色から手?」
『ぅん、』
「…」
「なんだろーな?蜜柑、蜜柑…」
「…蓮の記憶に関係しているかもな、」
白哉のその言葉に恋次は、なるほど!と返した。
『で、でも!びゃくにぃとれんにぃがいるからもう怖くないよ!』
「「…」」
涙目ながらに言う蓮に二人が心打たれたのは言うまでもない。
蜜柑色
((…可愛い、な…///))
((…))
[*前へ][次へ#]
[戻る]