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知らない雨に焦がれる。
マフィアランド
子どもを肩車した楽しげな親子。仲良く言葉を交わす恋人。道の傍らで風船を配るピエロに集う子どもたち。
巨大な観覧車に、高低差の激しいジェットコースター。
そんな、どこの遊園地でも見られるような風景だが、
ここは、マフィアランドである。
沢田家御一行とトマゾファミリーの面々は歓声をあげる。
が、リボーンは綱吉と鈴乃に近付いて言った。

「セキュリティーも完ペキだぞ。
この島は移動できるうえに、強力な妨害電波で誰からも察知されないようにできてるんだ。」

マジかよ、とげっそりする綱吉にさらにおいうち。

「マフィアがまっ白な気持ちで休めるようにどす黒い金を大量につぎこんだからな。」

あぁ、と鈴乃は思った。
この話は記憶にある。なんやかんやでハチャメチャになる話だ。
いや、なんやかんやでハチャメチャになるのはいつものことか。
思い直すも、認識は直さない。

「遊びまくるぞー!」

息巻く綱吉にリボーンが待ったをかけた。

「入島手続きがあるからな。」

「何それ?」

「受付に行って着いたって報告するんだぞ。
ツナを代表者にしたからな。」

「いってらっしゃい、お兄ちゃん。」

綱吉は渋々と受付へ向かった。

「さぁ、行きましょうスズちゃん。」

鈴乃は、奈々に手を引かれて海へ向かった。

****

遊園地に移動して、遊んでいても綱吉はまだ来ない。

「お兄ちゃん遅いね。」

「本当ねぇ。」

そんなことを話していると、突然爆発音が聞こえた。

「なに!?」

急に人並みが動き出した。
とりあえず、全員がいることを確認して、人並みについて行くことにした。
走って走って、ようやく止まったのは巨大なお城だった。
放送が流れ出したので耳を澄ませると、敵マフィアが襲ってきたので迎え撃つとのこと。

「お母さん。あれ、お兄ちゃんじゃない?」

そう言うと、奈々は真っ先に綱吉の所へ駆けて行った。
追いつくと、顔を歪ませた綱吉と面白いイベントね、と微笑む奈々がいた。

「母さんたち女性は後方でご飯つくるんだって。」

「お兄ちゃん、がんばってね。」

巻き込まれたくないんだ、お兄ちゃんゴメンね。
鈴乃は心の中で謝っておくことにした。
城の中では、ほのぼのと作業が行われていた。
銃やら大砲やらの音は割と早く鳴り止んだ。
外へ出ると、帰る時間になっていたので綱吉を探す。

「ツナー、イベントも終わったから帰るわよ!」

奈々の視線を辿ると、ショックを受けたような綱吉と獄寺がいた。

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