知らない雨に焦がれる。
居候
なすがままに導かれ、たどり着いたのはリビング。そして、そこで待ち受けていたのは、小さな子ども三人とそれより少し年上の少年、そして一人の美しい女性だった。
一番最初に動いたのは黒に身を包んだ赤ん坊。
「ちゃおっす。ツナの妹の鈴乃だな？
俺はツナの家庭教師のリボーンだ。」
「私はビアンキよ。ママンからよく話を聞いているわ。」
続いて女性も自己紹介をした。
奈々が何を話したのか激しく気になるが。
そして、その間に少年が幼い子ども二人を引き連れて鈴乃に近付いた。
「僕はね、フウ太だよ！
それで、こっちがイーピンで、」
そう言って女の子と繋いだ右手を揺らし、
「こっちがランボ！」
次に男の子と繋いだ手を揺らした。
イーピンはぺこりと礼儀正しくお辞儀をしたが、ランボは食卓の上に並んだ料理に目を奪われていた。
フウ太にたしなめられるも、ランボの目は動かない。
「ランボ！挨拶くらいしろよ！
スズ、みんな家の居候なんだ。
仲良くしてね。」
綱吉が苦笑いでそう話す。
鈴乃は改めて一般家庭であるはずの沢田家にこれだけの人数が住めるのか不思議に思ったが、言わないようにした。
「もちろん。
ゴメンね、ランボ。早く食べたいよね。
えっと、沢田家の長女の鈴乃です。
スズって呼んでください。よろしくお願いします。」
鈴乃そう言うと笑顔でフウ太とイーピンが自分たちの間の席へ鈴乃を引き込んだ。
それを見ながら、立ちっぱなしだった綱吉も奈々も空いた空間へ入り込んだ。
「じゃあ、食べましょ!!」
奈々の音頭で、元気な、いただきますという声が沢田家に響いた。
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