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知らない雨に焦がれる。
かわいい説教
「スズ、どこ行ってたんですか!?
しんぱいしてたんですよ!」

バジルは鈴乃駆け寄るなり般若のような形相でそう叫んだ。

「トイレ行ってくると言って出てってから一向に戻ってこなくて、」

「ご、ごめんバジル。迷っちゃって。」

苦笑しながら頭をかく鈴乃にまたもやバジルは般若と化した。

「だから……!
あんなに興味本位で歩いてはいけないと親方様も言っていたじゃないですか!」

「ごめん、」

「もういいです。早く部屋に戻りましょう。」


バジルは鈴乃の手を引いて歩き出した。

「わ、私ひとりで歩ける!」

「ダメです。手を離したらまた迷いそうですから。」

ピシャリと言い放ったバジルに鈴乃はうっとうなだれる。

「そういえば、スズ。
ここまでひとりで戻って来れたんですか?」

そう尋ねるバジルに鈴乃は首を振った。

「んーん。
優しいおにーさんに連れてきてもらった。」

本当に意外なほど優しかった。
あれで本当に暗殺部隊の作戦隊長なのか。
もともと面倒見がいいとは思っていたが。

「お兄さん?
どのような人でしたか。」

「銀髪ロン毛。」

端的だがこれ以上ないほど的確な表現。

「それスクアーロじゃないですか!?
何もされてませんか?」

「大丈夫。俵担ぎで運ばれただけ。
いい人だったよ。どんな人なの?」

そう尋ねるとS・スクアーロや独立暗殺部隊ヴァリアーについていろいろ話してくれた。
部屋に帰り着いたときに絶対に近付いてはいけませんよ、と念押しされた。

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