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知らない雨に焦がれる。
思わぬ出会いその2
さまよい歩くことさらに五分。
視界の端に壁の影に消えていくきらきらと銀に光る髪が映った。

「あ、待ってください!」

慌てて叫ぶも、言語的にも距離的にも届くはずがなく鈴乃は慌てて追いかける。
彼女は長身のためか、歩幅が広く鈴乃走っても追いつけない。
銀に輝く長髪が靡く。

「待ってください!!」

鈴乃はようやく追いついてイタリア語で待ったをかけた。
その瞬間、鈴乃は固まった。
それは、振り返った『彼女』の瞳がギンッと不機嫌に細められていたからでも、なんだ、と発せられた声が思いのほか低かったからでもない。
もちろん、それらもあっただろう。しかしそのことを凌ぐほどに、鈴乃が『彼女』だと思っていた彼が、鈴乃の一方的に見知った人物である、S・スクアーロであったことは大きな衝撃をもたらした。

「なんだぁ、ガキ。」

鋭く光る眼光に一瞬息が詰まるも、息を大きく吸って見上げた。

「あの、案内してください!」

「………どこへだぁ?」

「えっ、あ…………
どこだろ………?」

思い切って話しかけたが、旅館のように一つ一つの部屋に名前がついているわけでもなく、目的地は不明なままだ。

「やっぱりいいです。
すみません、ありがとうございました。」

しばらく迷ったが、まだXANXUSが眠っているはずの現在、ヴァリアーは謹慎中のはずだ。簡単に動くことができないはずの彼がボンゴレ本部にいるということは、何か用事があったのだろう。
彼の手を煩わせまいと、踵を返す。
その時、体が浮いた。

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