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知らない雨に焦がれる。
朝食の一騒動
ランニングは本当にきつかった。
たかが三周と侮ることなかれ、一周が5キロとかそんななのだ。詳しい距離は鈴乃にはわからないが。そしてさすがは、REBORN。マンガの世界。なんとも奇妙な髪型の人が多く、同じ人に何度抜かされたか知れない。やっとのことで歩いている鈴乃に付いてくれるバジルに申し訳なく思った。
だが、バジルは常に笑顔で鈴乃を励ました。二人を抜いて行く人たちもイタリア語で何やら声をかけていくし、中には日本語でダイジョウブカ、なんて話しかけてくれる人もいた。
走り終えた時には、もう体力の限界で、既に一日を終えたような感覚に陥った。
ふらふらになりながら、部屋へ戻りって大雨に降られたように濡れた服を脱いでシャワーを浴び、着替えてから部屋を出た。
ドアを開けると、バジルがニコニコとして立っていた。

「スズ、ご飯ですよ!!」

もうお腹ペコペコです、とご機嫌に前を歩くバジルに思わずため息が出た。
鈴乃は運動、それもかなり激しいものをしたおかげで空腹を感じるどころか、少しでも胃に物を入れると戻してしまいそうに感じるのに。
朝食はビュッフェ形式だった。なので平皿にサラダとピラフをとって、コンソメスープを器の半分くらいついだ。
一方、バジルは見ている方が胸焼けするくらいの量をとって、パクパクと食べ進めた。
それを眺めながら、ゆっくりとサラダを口に運んでいると家光がやってきた。

「おぉ、鈴乃。
朝飯はそんだけか?そんなんじゃ倒れちまうぞ。」

それだけ言うと家光は、じゃーなと去っていってしまった。
その脅しにしかたなく鈴乃は肉料理を取りに席を立った。


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あきゅろす。
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