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知らない雨に焦がれる。
仲間・友達・兄弟子

翌朝、朝食を食べた後家光に連れられて中庭のような場所へ来た。
家光は辺りを見回すと、おかしいなと頭をかいた。

「親方様!!」

たたたっと少年が一生懸命に走ってきた。

「遅れてしまい申し訳ありません!」

「おぉ、来たなバジル。
これが、俺の娘の鈴乃だ。
お前の一つ年下だ。
鈴乃、コイツはお前の兄弟子であり仲間、そして友達となるバジルだ。」

家光が鈴乃の頭に手を置き、紹介した。

「初めまして!
拙者はバジリコンと言います!
バジルと呼んでください。」

幼いバジルは小さな右手を差し出した。

「沢田鈴乃です。
よろしくね、バジル君、」

バジルの手を握り返すと、鈴乃とバジル、二人の頭の上に大きな家光の手が乗った。

「よしっ、俺は少し用があるからこの辺で遊んでろよ。」

じゃあなぁと陽気に手を降って去っていた。
二人の間には沈黙と若干の気まずさがながれた。

「拙者のことはどうか呼び捨てで呼んでください、鈴乃孃。」

「じゃあ、私もスズって呼んで、バジル。」

「しかし、」

「お父さんもお母さんもお兄ちゃんも仲のいい友達もみんなそう呼ぶから。
いいでしょ?」

「わかりました、スズ。」

「えっと、親方様はいつ戻って来るのかな?」

「わかりませんが、お昼までには帰って来ると思いますよ。
それまでお話ししていましょう!」



「(無事仲良くなったな。安心安心。)」
↑実は覗いていた家光


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