[携帯モード] [URL送信]

知らない雨に焦がれる。
野球
野球なんてやったことない。
前世でだってせいぜいソフトボールや小学校でやったフットベースくらいのものだ。
それなのに山本はいきなり鈴乃をバッターボックスに立たせようとした。

「や、山本くん!あたし野球なんてやったことない!!」

「武。武って呼んでくれよ。」

「た、武くん、無理だよ。」

「大丈夫だって。
ピッチャーが投げたボールをこう、グッグッと引きつけて、ビュンと振ればいいんだ。」

山本的指導されても分かんないってば、なんて言えるはずもなく、鈴乃は山本に押されるままにバッターボックスへ入り、構えた。
とりあえず、一打席目の結果は空振り三振だった。
山本は、次はホームランだぜ!などと無謀なことを言っている。
守備では、鈴乃は外野についたが、ピッチャー山本の豪速球を打てず三振、もしくは打てても内野フライに内野ゴロという結果で、外野手の出番はなかった。
結局、6時の鐘が鳴るまで泥だらけになるまで遊び、野球を初めてした鈴乃にしては快挙のヒットを一本打った。

「じゃあな、鈴乃!
俺たち毎日ここで野球してるからいつでも来いよ!!」

こんな感じで鈴乃は山本武率いる野球少年たちと仲良くなり、たびたび泥だらけになるほど野球に打ち込むようになった。

[*前へ][次へ#]

2/7ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!