知らない雨に焦がれる。
帰り道
「たのしかったね、おにーちゃん!」
「うん!」
まだまだ小さいので乗れるのは限られていて、同じのに何回も乗った。
三半規管強化目的にコーヒーカップ。
高所恐怖症対策に観覧車。
そして、もちろんお化け屋敷。
綱吉も何回も同じ所を回ると流石に慣れたのか楽しむ余裕ができたようだ。
最終的に受け付けのお姉さんと仲良しになるほどに行ったもんな。
「よし、スズ!!」
奈々と手をつないで歩いていたら、突然名前を呼ばれて、反対の手をガシッと家光に掴まれた。
「せぇの、ほい!」
「わぁぁあ!?」
かけ声と共に体が浮遊感に包まれる。
ブランコとでも言えばいいのか、両側から引き上げられるアレだ。
「つーくんも!つーくんもやって!!」
「交代ね、こっちへいらっしゃい。」
「せぇの、」
「わぁぁぁぁ!」
満面の笑みを浮かべる綱吉。
それを見て微笑む奈々と家光。
今日はみんなが笑顔の幸せな1日だった。
たとえ、悲しい未来に一歩近づいたとしても。
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