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知らない雨に焦がれる。
フラグ壊し計画その一
「う……う…ぅわぁぁぁ!!」

悲鳴を上げてひしっと隣にあった温もりにしがみついた。


綱吉が。

「おにーちゃん、こわくないよ。」

片腕にしがみついて震えている綱吉を反対の手で慰める。

ただ今ビデオ鑑賞中な二人。
内容はホラー。
綱吉の怖がりを治そうというちょっとした画策だ。
まぁ、それは理由の半分で、もう半分は単なる鈴乃の趣味なのだが。
しかし、ホラー好きの鈴乃には装置はちゃっちでグロテスクなシーンもないこのビデオはつまらなかった。
綱吉は涙をポロポロこぼしながらみていたが。

「おにーちゃん、おおきくなったらもっとこわいことやびっくりすることがあるんだよ?」

「ふぇぇぇ………」

ヴァリアー編とか未来編とか。継承式編はどうなるんだろうか。最後に見たときは、ちょっと不穏だけどほのぼのだったし。
心の中で呟く。
家光は散歩〜と言って家を出ているし、奈々は庭で洗濯物を干しているので、多少意味深な発言をしても大丈夫だ。
鈴乃の発言にさらに震えを大きくした綱吉を見て、少し言い過ぎたかなと反省する。

「じゃあこの続きは明日ね。」

「えぇ〜」

にこやかに言った鈴乃の言葉に明日も見るの?と言いたげな不満たらたらな綱吉を無視して、普通のチャンネルに戻すとCMが流れていた。


新しく隣町にできた遊園地、黒曜ヘルシーランド。

廃れていない黒曜ランド。お化け屋敷位あるだろう。
うん、ちょうどいい。

「ママ!あたし、ここ行きたい!」

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あきゅろす。
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