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知らない雨に焦がれる。
記憶と炎

「そうか……。
鈴乃ちゃん、おじいちゃんの所へおいで。」

そう言ってティモッテオは両手を広げた。
そうしてふっと思った。
今ティモッテオの所へ行けば、記憶を封じられる。綱吉のように。
そして、忘れてしまう。
未来を。
そしたら、守れなくなる、綱吉を。
救えなくなる、大好きな人達を。
だから、

「嫌だ。」

二人は目を見開いた。
正直、自分も驚いている。
いままで意図せずとも、口を開けば幼児のような舌っ足らずな幼いしゃべり方ができた。
しかし、今出たのははっきりとした大人の口調。
今からの話題に舌っ足らずなしゃべり方では雰囲気がぶち壊しになる。
これ幸いと話を続けた。

「封じるんですよね、私の記憶も。ツナのように。」

二人とも無言だ。

「私、知ってるんです。ティモッテオさん、あなたが『ボンゴレ』という世界最強のマフィアの九代目ということも。
そして、沢田家光さん、あなたがその『ボンゴレ』の門外顧問という役職で、実質No.2の実力者ということも。
ついでに言えば、この沢田綱吉が血筋的には『ボンゴレ』の十代目になってもおかしくはないこともです。」

すぅっと息を吸った。

「そして、たぶんこれがブラッドオブボンゴレ…超直感。
これから九代目がしようとしたこと、そして‘私’の記憶も一緒に消えるだろうとわかったこと。なんとなくだけど確実に。」
九代目の顔から表情が消えた。

「君は、何を知っているんだい?」

「ほんの少しの未来を。」

「それを私や家光や他の誰かに言うつもりは?」

「ありません。どれだけお金を積まれようと、命が危険に晒されようと。」

自分が知っているのはほんの一部だと知っている。
だけれども、私が記憶をもっているのなら、それを使って悲しい未来を少しでも変えたい。
それが、ここがREBORNの世界だと気付いた私の願い。
救ってみせる、私の大好きな人たちを。

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あきゅろす。
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