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銃と錬金術と二つの世界


「ピナコさん!!」

玄関の扉を開けた。彼女自身自らの孫を取り上げたばかりで彼女の家には小さな赤子がいた。
キアラはその子に対する配慮も出来ないほど焦っていた。
キアラはさほど大きさの変わらない彼女の背を見つけると、駆け寄った。

「ピナコさん、トリシャが…!」

「あぁ、そろそろだと思っていたよ。
………しかし、お前がそんなに取り乱すとは思っていなかったが。」

ピナコはキアラの過去を知っている。ホーエンハイムに促されたからだ。彼女は、動じるどころかだからなんだい、と信憑性のない噂を聞き流すように言ってのけたのだ。
そんな彼女はたかだかお産くらいでは焦った様子も見せない。

「サラ、手伝っとくれ。
キアラ、ウィンリーをみといてくれ。ユーリは役に立たないからね。」

彼女は、息子嫁であるサラに指示をだし、孫のウィンリーの世話をキアラを任せると言った。自身の息子のユーリを役立たずと貶して。
言いながらテキパキと準備を進めていたピナコは、最後に防寒具を着て、さぁ行くよと扉を開けて足を踏み出した。

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あきゅろす。
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