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銃と錬金術と二つの世界
真理
真っ白。
綺麗でまぶしくて、どこか禍々しい。

普通、自分は白は嫌いだ。
純粋で、汚れていない。

しかし、この白はどこか歪んだ色。
この色が似合うのは、
例えば罪人。
例えば仲間。
例えば兄。
例えば自分。

どこまでも続く汚れた白。

「そうさ。ここに来るのは禁忌を犯した者。」

突如、後ろから聞こえた声。
そこにいたのは、白。
人を象った白。
目も鼻もない。あるのは口だけ。

「あなたは………」

「オレはお前たちが『世界』と呼ぶ存在。
あるいは『宇宙』
あるいは『神』
あるいは『真理』
あるいは『全』
あるいは『一』



そしてお前だ。」

奴はニヤッという擬音語がふさわしいほどに口角を吊り上げる。

「俺は神なんて奴は信じないよ。そして俺は俺一人だし、俺以外の俺はいない。」

「そうか。

ところで、オレはお前に頼みがあって呼んだんだ。聞いてくれるか?ローザ。」

「内容による。あと、気に入らない奴の依頼は受けない主義だ。」

「二つの世界で異質なものを全てを在るべき場所に戻して欲しい。それだけだ。
報酬は前払いとして、これから行く世界で知っていれば役に立つであろう知識。
それから、後払いで何でもお前の望む事を一つ叶えてやる。

というか、お前しかできないことだからお前が拒否しても強制的に別世界に送ってやるけどな。」

「ちょっと待て!!
それじゃあ聞く意味ないだろ?」

「あるさ。報酬があるかないか。」

「それって拒否したらただ働きになるだけじゃないか!」

少し間をあけてため息を一つ吐く。

「…………いいわ。やってやる。」

では、はじまりだ。

「少し注意だ。
今からお前に与える知識は『禁忌』をした者だけが使える技だ。目をつけられたくなかったらむやみに使わない方がいいぞ。

じゃあな。呪われた赤ん坊。」

現れた大きな扉をくぐり抜けた。



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