銃と錬金術と二つの世界
日常
「ふぁ〜ぁ……
懐かしい夢みたなぁ。」
起きあがってから伸びとともに大きなあくびをする。
異世界に飛ばされてから五年。
普通に成長し、今は標準的な五歳児の体型だ。
しかし元の世界に戻れる兆しはないし、ルーチェと話したのもあの一度きりだ。
「まぁ、どうしようもないことを悩んでもしょうがない。
とりあえず、朝ご飯。」
パジャマから私服に着替え、パタパタと下へと降りていく。
トーストをセットして、スープを作るために鍋を火にかけ、野菜を切っていく。
小さな体でキッチンを駆け回る。
「おはよう、キアラ。」
「おはよう！
もうできるから、トリシャ起こしてきて。」
「了解。」
そう言うと、眠そうに目を擦りながらやってきたホーエンハイムは踵を返した。
テーブルに料理を並べ終わると、ちょうどホーエンハイムがトリシャを支えながらやってきた。
「おはよう、トリシャ！」
「おはよう。
いつもありがとう。」
「ううん。
トリシャこそ無理しちゃだめだよ。」
トリシャのお腹は大きい。
もういつ生まれてもおかしくないらしい。
これが、最近の日常。
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