銃と錬金術と二つの世界
赤ん坊と人造人間と女性
「あなた、この子どうしたの?」
只今、机に腰掛け、赤ちゃんのフリをしている。
そして、若くて美人さんに男性は詰め寄られている。しかし、女性はあくまで笑顔だ。
「ひ、拾った。」
「ご家族は?」
「いないんじゃないか?
家が無いと言っていたから家に居ればいいと思ったから。」
「言っていた?ご家族が?」
「違う。本人が。」
「この子が?」
女性は一瞬訝しんだものの、名前は?と聞いた。
「はじめまして、俺はキアラと言います。」
「そう。いい名前ね。私はトリシャ。
ご家族のことを聞いてもいい?」
俺はその質問には答えなかった。
いくらあまちゃんだと言われる俺でも、自分や仲間が不利になるようなことは言わない。
ただ本名を名乗ったのは、少なからず善意でここまで連れてきてもらった人に偽名を名乗るのがはばかられたからだ。
「言いたくないなら言わなくていいわよ。
そうね……家に住むといいわ。」
「でも、ご迷惑じゃ?」
「そんなことないわ。娘ができたみたいで嬉しいわ。」
「娘って!俺はもう二十歳だ!」
言ってからハッと気づいた。話に夢中で机に座ってて今は視点がいつもよりかなり低いことをわすれていた。
本日二度目の大失態!!
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