こころとふれあい 2
(…さむぃ)
水の中から気泡が音を立てて沸き上がる
(とけて…せかいはまざりあってひとつになる)
LCLの中の見えない思念は浮かんでは消え、まるで泡のように流れ出す
(ひととエヴァのさかいめもきえてひとつになる)
(つめたいせかい)
(かみさまのさいりん)
(かくせいのちえん)
(アダムとイヴのらくえんは…どこ)
こころとふれあい 2
「今日…零号機との再起動実験だよね?」
気まずい
人と触れ合うことは難しい、嫌われるのは怖いのに
失いたくない
「…綾波は怖くないの?」
「――何が?」
「何がって…その、エヴァに乗るのが…」
「あなたは怖いの?」
「お父さんの仕事が信じられないの?」
お父さん?
「信じられるわけないよ…あんな父親なんて」
そう、信じられない
僕は信じない
綾波はなんでそんな目をするの?
「私は、信じてるわ…私が信じてるのは、この世で碇指令だけ」
どうして…
どうしてそんなにまで父さんのことを?
ヘンだな
他人のことがこんなにも気になるなんて…
父さんの声
テストは中断
また、エヴァに乗らなくちゃならない
「どうした?さっさと行け」
「はい…」
僕には「がんばれ」のひと言もないんだね
でもたとえ父さんのことが信じられなくても、今の僕にできるのはエヴァに乗って戦うことしかないんだ
ミサトさんの焦った声がした
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!