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とびらのむこうとこころ 2

「おはよう」
「…おはよぅ」

名前(カタカナ)はいつも眠たそう。

「起動実験、頑張って」
「…ん」


私は見学、起動実験にはまだ遠い。

たまに胸が苦しくなる。
何故かは分からないけど、名前(カタカナ)が居なくなるような感じがする時、苦しくなる。


「…レイ、またね」
「ええ…」

わからない、名前(カタカナ)はここにいるのに…






 とびらのむこうとこころ 2






「名前(カタカナ)君、今日の起動実験は渦乃博士が指示をだすわ」

途中すれ違った赤木博士に声をかけられた。
空気が張り詰めた気がする。
渦乃博士…知らないひと。


「…」

そのまま名前(カタカナ)は着替えに行った。








「はじめまして、綾波レイちゃん」

渦乃リョウコと名乗ったひと。
長い黒髪、黒い瞳、紅い口紅、上がった口角、甘ったるい香水、嫌な…感じ


「いつも息子の名前(カタカナ)と仲良くしてくれてありがとうね」

何を言ってるの、このひとは

はじめるわよと猫なで声が響いた






「パイロット改良機と接続開始」
「パルス及びハーモニクス正常」
「オールナーブリンク終了。中枢神経素子に異常なし」
「1から2590までのリストクリア」
「2590から4760までの改良リストクリア」
「絶対境界線まであと5.5、3.5、1.5、1.0、0.5

…名前(カタカナ)

0.4

私は何も知らない

0.3

あなたが誰なのか

0.2

あなたが何なのか

0.1

一つだけわかるのは


「ボーダーラインクリア」
「改良機起動しました」



「名前(カタカナ)良くできたわ。このまま続けて」
「…はぃ」










「神経パルス異常!!」
「シンクロ率上昇、止まりませんっ」
「中枢神経素子が中和されていきます!!」



「実験中止だ」

碇指令の声


「まだいけるわよ」

あの人の猫なで声


「電源落として!!」

赤木博士の声




「顎部拘束具破損しました!!」

長い咆哮








私の隣は名前(カタカナ)の居場所だった




「パイロット消失しました!!」








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あきゅろす。
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