あくむのはじまり
世界の軋む音がした。
泣いているのはだれ?
悲しいのはだれ?
痛いと声を上げるのはだれ?
ぼくは…だれ?
あくむのはじまり
鈍いおとが体から出てくる。
彼女が腕を振り下ろすのと同じリズムで、
"あなたなんかうまれてこなければよかったのに"
そうだね、
こんなに苦しいなら生まれなくてよかった。
じゃあ、今生きてる意味は?
ぼくの存在証明は?
「名前(カタカナ)、乗ってくれるでしょう?」
求められる理由なら何でもいい。
それがぼくの居場所になるから。
「…はぃ」
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