おしえてよ
5
んで、うちのNo.1の鷺白拓人さんですが……あちゃー、昶くんの言ってた通りお怒りです。
これでも結構急いだんだけどなぁ。
もっと急げとか無理じゃん。
「……さてと、拓人さんちっす」
「………遅い」
わーお不機嫌。
ちょっとも待てないのかねこの人。
「ごめんなさい、これでも急いだんですけど…来るまでに色々捕まっちゃって」
申し訳無さそうに笑ってみせると、拓人さんは顔を歪めた。
「……また女か」
「え〜!矢凪ってばやらしい〜!!」
「何言ってんの橘くん、俺はデートのお誘いを断りながら来たんだよ!」
「嘘だ、一発ヤって来てんだろ〜!」
「だ〜か〜ら〜…」
「…橘」
「は〜い」
ナイス昶くん!
橘くんのこーゆうとこが困るんだよね〜。
昶くんが遮ってくれたお陰で助かったよ。
「………矢凪、さっきのは本当か」
「え、一発ヤって来たって?違いますよ?」
「わかってるよバカ、断ってきたってやつ」
「あ、はい」
そこ気にするんだ。
正直デートの後でもいいかな、とか思ってたけど。
でもそうなったら橘くんの言ってたことがマジになりそうじゃん?
だから声掛けられる度に優しく「ごめんね」って。
ちょっと笑顔向けたらもう女の子はイチコロだね。
あは、俺って嫌な奴〜。
「じゃあ、許す。断ってて遅くなったんならな」
「えっ本当に?その通りですよ!」
結構拓人さんもちょろい!
思ってたより早く許してくれた。
橘くんは面白くな〜いって言いたげにこっち見てるけどね。
昶くんに睨まれてるから動けないんだ、ほんとバカ。
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