おしえてよ
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『矢凪くんおはよ〜〜〜!!』
「はーいみんなおはよ〜」
可愛い女の子たちに手を振るのは、俺、春宮矢凪。
"春宮" で "とうぐう"って読むんだよ。
よく間違えられるけど "はるみや" じゃないから、覚えてね〜!
俺を養子に迎えてくれた父さんと母さんの名字なんだ。
格好いいから俺のお気に入り。
昔の名字は忘れた。
もうそんなのどうでもいいことだしね。
……っで、話は戻って今は学校に登校中。
周りには女の子が、うーん…今日は5人だね。
頭も顔も悪くない俺は、結構人気者。
自分で言うんだー、とか思った?
ふふ、だって周りがそう言うからね。
この間は、後ろを振り返ったら10人以上いそうだったな。
さすがに俺もビックリした〜。
『お、春宮おはよう!』
「おはよ〜!」
勿論、男友達もいるよ?
入学式で新入生代表挨拶をしたら、あっと言う間に有名人になったんだよね。
こんな性格だし、みんなよく話しかけてくれる。
学年も性別も問わず、例えば……
───ザワザワ…
「おはよう、矢凪」
「あ、拓人さんおはようございま〜す!」
男共を後ろに従えた不良、とかね。
この人、鷺白拓人さんは、この学園……洲王学園を仕切っている1番強い人。
しかも凄い美人だから、こうやって男達が下に付いていくんだ。
『ねぇ、矢凪くん……』
「ん?あぁ、怖かったね。早く教室行こっか」
にこっと笑いかけると、女の子たちは顔を赤くして頷いた。
いいよね〜、女の子は直ぐ言うこと聞いてくれる。
「じゃあ〜…拓人さん、また」
「ん。………放課後、来いよ」
拓人さんは俺に近づくと、誰にも聞こえないように耳元でそう言った。
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