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おしえてよ




「…ほな、俺は帰るで」


昶くんは立ち上がると鞄を手に取った。


「え〜帰んの〜?俺まだ動きたくないんだけど〜」

「知るか。今日は妹が早よ帰ってくんねん」

「俺より妹かよ!!」


でた、昶くんのシスコン。
あの顔でシスコンとかウケるよね。

つか橘くんさ、昶くんの妹ちゃんに勝とうとか無理に決まってんのに。
俺は一人っ子だけどさ、橘くんと比べられたら俺だって妹とるよ。

でも昶くんの妹ちゃんは噂によるとすげぇ可愛いらしい。
見てみたいな〜、会えたらデートに誘ってみよ。


「んも〜昶が帰んなら俺も帰る〜」


橘くんは渋々立ち上がり、散らかした私物を片付け始めた。
てゆーかさ、一緒に帰る必要なくない?
あの2人仲良過ぎ。
付き合ってんのかって感じ。


橘くんは片付け終わるといつもの笑顔に戻り颯爽と出て行った。

昶くんはペコッてお辞儀して行っちゃった。
なんでこうも違うかね。



「………矢凪」

「はい?……っうお」


2人の声が聞こえなくなると、拓人さんは後ろからぎゅうっと腕を回してきた。


「拓人さん?2人が戻ってきたらどうすんの?」

「戻って来ねぇよ…」

「ははっ、何その自信」


クスクス笑いながら腕を振りほどくと、今度は俺が前から抱き締めた。


「ねぇ拓人、まだ拗ねてんの?」


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