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黒猫の歩み(長編集)
第三節〜【最初の犠牲者】〜
第三節〜【最初の犠牲者】〜





「今な馬鹿下駄モノに参加する訳ないだろ!!」
「佐々と開放しろ!!」

可笑しなアナウンス後、参加者から次々と批判の声が響き渡った。
打が、今な事は想定住みと云わん秤に批判者の身体が床から出現した巨大な針の様なモノに串刺しに去れた。
直後、参加者は阿鼻叫喚の悲鳴を挙げながら我先にと、何時の間にか開放去れて居た扉から一斉に走り去った。

『云い忘れて居たが、私は諸君等の命を握って居る事を覚えて起きたまえ』

静まり返った静寂の中に響いたアナウンスは、彼等に重く乗し掛かった。
暫くして、広場に残って居た一人が動いた。

「・・・行くぞ、小十郎」
「・・・はっ」
「ちょっ、何処行くの!!此所は皆で協力してー」
「ー協力?何時死ぬかも知れねぇのにか?!Ha!!冗談じゃねぇ・・・悪いが、オレは誰の指図も受けねぇ。好きに指せて貰うぜ・・・」
「政宗!!・・・っ、片倉サンも何とか云ってくれ!!」
「・・・政宗様が決断去れた事だ。俺は只、其に従うのみ」
「・・・・・・」

彼の言い分は正しい。
何時死ぬかも知れない恐怖で、正常な判断が出来る訳等無いに等しい。
然し、個々で行動する寄り、集団で行動した方が協力して障害を突破出来る。
打が、其の分内部分裂が起こり易い。

「・・・どうして皆、争いをしたがるんだろう。俺には、理解出来ないよ・・・」

何が正解で、何が不正解なのか。
其は誰にも分からない。
打が、只一つ丈分かる事が有る。
何時の時代に於て、運命には抗えない。
否、抗う事自体が無意味なのだ。
何時の時代も、運命に翻弄去れて居るのだ。
そして、又一つ命の灯が消えて逝く。



「・・・此所は、何処で御座ろうか・・・」

石畳の廊下を歩くは、紅い武人。
歩けど歩けど、視界に入るのは石畳のみ。

「・・・佐助ー・・・親方様ー・・・何処で御座るかー・・・」

一体、何れ位歩いたのだろうか。
彼の前に人影が現れた。

「おぉ、助かったで御座る!・・・貴殿、少し路を尋ねたいので御座るが・・・っ、」

其は、一瞬の出来事だった。
彼の身体を、何かが貫いた。
其が腕打と気付くのには、時間は掛からなかった。
彼は、己を殺す者の顔を視界に入れたと同時に強張らせた。

「・・・き、貴殿はっ、何故・・・此の様な事を、っ、ぁあ・・・?!」
「・・・・・・っ、」

彼を殺した者は、崩れ落ちた死体を見詰めて居た。
そして、血痕に染まった腕を握り締めた。

「・・・すまない、っ、すまない・・・真田っ、」

ひっそりと呟いた言葉は、只虚しく響き渡った。





† † † † † † † † † † † † † † †
『最初の犠牲者は幸村』の回
此は既に決めてますた
さてさて、次は誰が犠牲に為るのやら……

2016.3.14 Black Cat

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