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黒猫の歩み(長編集)
第二節~【始まりのGAME】~
第二節〜【始まりのGAME】〜




「・・・・・・っ、此所は・・・何処だ?」
「確か・・・俺等、学校に居て・・・其から、其から?」

長い眠りから目覚めると、其所は見知らぬ場所だった。
薄暗い石畳の上に寝て居たようだ。
然し、彼等には数分、否、数時間分の記憶がなかった。
何故自分達がこんな場所に居るのか、皆目見当が付かなかった。
彼等が貰った黒い封筒に、はたまた手紙の内容に彼等の記憶を消す効力が施されて居たのか。
今の彼等に、其を知る者は存在しない。
暫くすると、薄暗い部屋に視界が慣れ、ぼんやりと部屋の内装が見えて来た。
壁の外壁も、床下と同じ石畳で窓らしいモノもない。
壁に開いた蝋燭等の灯りを置くだろう場所は、数十メートル間隔で施されて居た。
天上は、上が見届けられない位高い造りに為って居る様だ。
微か打が、波飛沫の音が聴こえて居る事から、海辺の近い建物だろう。
扉は在るものの、鍵が掛けられて居るのか開ける事は敵わなかった。
然し、姿は見えないが話し声が聴こえる事から、彼等以外に連れて来られた人が居た。
其の声は、良く見知った人達の為、姿は見えなくも直ぐに誰打か分かった。

「・・・連れて来られたのって、俺等の顔馴染み秤だね」
「俺等を連れて来た犯人も、顔馴染みの可能性が高いが・・・動機が分からねぇ以上、安易な詮索は止めた方が良いな」
「・・・顔馴染み、ねぇ・・・兎も角、此所から脱出する方法を探すか」

すると、何処からか声が響き渡った。

『御機嫌よう、諸君。気分は如何かな?』

何処かにスピーカーでも有るのだろうか。
然し、ノイズが走って誰が話掛けて居るのか分からなかった。

『諸君等を招いたのは他でもない。一つ余興を執り行おうと思った次第だ。一人では寂しくてね、人数が多い方が、楽しみ概が有ると云うものさ』

不意に目映い光に包まれ、視界を覆った。
どうやら、舘に灯りが灯った様だ。
各々自分の姿を確認すると、場違いの格好をして居た。
兜に甲冑、陣羽織に刀。
まるで、戦国時代に逆戻りした様な感覚に陥った。

『諸君等には、其の刀で殺し合いをして貰おう』

嗚呼、此は夢だ。
まだ、俺等は夢に現を抜かして居るに違いない。
友を殺す等、出来やしない。

『己が生き残る為に、現に戻る為に!!』

然し、現実は無情にも彼等の願いを引き裂いた。

『全てを破壊した先に待つものは何か、私に教えてくれたまえ』

そして彼等は、物語を紡いで行く。

『さぁ、GAMEを始め様か』

定められた運命を辿りながら・・・




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ずいぶんお久し振りの更新です
realで色々ありました!!
忙しいから仕方がない
気長にお待ちくださいませ!!

2016.3.6 Black Cat

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