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■短編■
3


「ンッ、あ……あ……うぅッ」


ベッドの真ん中へと移動させられた時に、一緒に服を脱がされて一糸纏わぬ姿のまま寝転がらされ、上半身だけ脱いだ狼牙がオレに覆い被さる形で見下ろしてくる。
口を狼牙の唇で塞がれ、左手は胸の突起を捏ね繰り回し、右手は熱が集まり硬くなった中心へ愛撫を繰り返す。
息苦しさと快感によって生まれる感覚に、背中にぞわぞわと何かが這う様な感覚に腰をくねらせ、中心を弄る狼牙の手に自分の手を添えてほんの少し抵抗する。
それでも快楽の方が勝る為、ただ添えているだけという全く意味のない結果で終わるのだけれど。


「はっ、ろ……がぁ、ンン……ゃぅ、」

「んっ、気持ち良いか?」

「ん、ん……」


少し細められた双眸で見つめられながら聞かれた事にこくりと頷けば、どこか満足した様に口角を上げて狼牙は右手の動きを強める。


「ひッ……?!あっ、や……!!ま……ッンン」


速められた右手の動きに合わせて卑猥な水音が大きくなる。
強すぎるその感覚に待つ様に声をかけようとすればキスをされ、それも叶わなくなってしまった。
塞がれたその中では狼牙の熱の籠った舌がオレの舌を捉えては吸い、放さない。
息苦しさと下半身に集中する熱に頭がぼやっとして、目尻に溜まった涙が自然と流れ落ちていく。
目の前がちかちかしてきて「もう駄目だ」という意思を伝えるべく震える指先になんとか力を込めて狼牙に知らせれば、その意図に気付いたのか唇を浮かし、その少しの隙間でふっと笑った。


「とりあえず、このまま出せよ」

「よご……れ、る……ッ」

「しかたねぇな……」

「ひぁッ!!あ、ダメ……ッ、あッ……ッ!!」


そう言って狼牙は身を屈めて、あろう事かオレのモノを銜え込んだ。
熱の籠った舌がオレのモノに絡み付いて舐め上げたり、時に先端を強く吸って刺激し、最後に先端の窪みをぐりぐりと抉られて、その刺激でオレは呆気なく達した。
びくびくと震える身体を無視して、狼牙は吐き出された白濁液を一滴もこぼさない様に口に含み、その感触にぞくりと背筋を震わせる。
吸い上げつつオレのモノを口から出した狼牙はとろりとほんの少し白濁液を、果てたばかりのソコに垂れ流して先端部分に塗り込む様にぐりぐりと擦りつけてきた。


「や!!出したばっか……ッ、ダメ……ンッ!!」

「まだ終わりじゃねぇんだ。静には頑張ってもらわねぇとな」

「はぁ、あ…………んぁ?あれ?」


ぼぅっとする中、ほんの少し違和感を感じて狼牙を見れば「どうかしたか?」と狼牙は右手でオレのモノを扱きながら首を傾げている。
いや、てかまさか……。


「お、おおおお前……ッ!!の、のの飲ん……?!」

「……あぁ、飲んだ。ごちそーさん」

「なななッ?!ばっか!!なんで飲んでんだよ!!」

「意外と飲めるもんだな。静以外のは飲む気ねぇけど」

「――――〜〜ッ!!」


別に狼牙がオレ以外の誰かとこういう行為を行ってたって構わないのだが、オレのは飲めてオレ以外のは飲む気ないとか、そんな言い方されてしまうとむず痒くなってしまうじゃないか。
っていうかちょっと……いやかなりキュンときているオレは危ないのではないだろうか……。


「っ、わ!!な、に……?」

「あ?そろそろ挿入れたいから……」

「あっ、ん……ンンッ……」


何時の間にかローションを取り出して後ろを弄り出した狼牙にびっくりしていれば、狼牙はにやりと不敵に笑い、指を入れて中を解しにかかった。
行為に慣れた身体は、ゆっくりと入ってくる指をすんなり受け入れて、狼牙もそれがわかっているからと指を増やして中を執拗に擦り出す。
摩擦されてローションの音が大きく響いて、恥ずかしくて枕に顔を埋めたら、そのタイミングである一点を擦られて腰を跳ねさせた。


「うぁ……!!や、待……んぁあッ!!」

「ここ好きだろ?」

「んんん……ッ!!」


一番刺激の強い一点をぐりぐり弄くり回されて枕を掴む手に力が籠り、歪む視界の中で白くなった手が見えた。
視界の隅から手が伸ばされてきて、狼牙が空いている手をオレの手に重ねて握り絡まれ、狼牙の手の温もりを感じた。
狼牙の気遣いにまたキュンと心が鳴って、それが下半身にも響いて狼牙の指を締め付けてしまい、くすりと笑う気配を感じて背中がぞくぞくする。
時間をかけて解されたソコから指が引き抜かれ、どきりと心臓が高鳴る中、腰を持ち上げられ、その下に柔らかいクッションを敷かれる。
どきどきしながら狼牙の行動を見守っていれば、狼牙もオレに視線を向け、オレを安心させる様に頬を優しく撫でてくる。
その優しさに胸をときめかせていれば、解されたソコにぴたりと熱の籠ったモノが当てられ、つい力んで肩を震わせる。


「挿入れるぞ?」

「……ッ、ん」


深呼吸を繰り返し、こくりと頷いて見せれば、嬉しそうに微笑む狼牙。
こんなイケメンがオレなんかを求めてきているなんて、世の女の子達が知ったらどう思うだろうかなんて、ちょっと優越感に浸りながらオレは狼牙の熱を受けとめた。










「…………今、何時……」

「十時頃」

「……オレ、帰るって言ったよね?」

「オレは泊まっていけば良いって言った」

「…………」


あれから気付いたら時間が経っていた。
どうやらあのあと、ずっとヤっててオレは気を失ったのか、寝てた所をふと起こされて外が真っ暗な事に気が付いた。
狼牙の奴……図ったな……チクショウ。


「静、泊まってくだろ?」

「……………ムカつくけど、怠いからそうする……」


そう言えば狼牙は見るからに嬉しそうに破顔し、ぎゅうっと抱き締めてきた。
オレもノった事に変わりないし、狼牙だけが悪い訳ではないから、と一息吐いた。
…………まぁ、気持ちかったから良いか。




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2015/10/21.

好き勝手に書いてたら長くなってしまいました(苦笑)



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