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long(RIKKAIA)
幼馴染の希望







「あーかやっ♪」



この無駄に明るい声は幼馴染でクラスメイトの、最近は例の"憧れの先輩"話でうるさい狩沢惺音だ。
こいつは小学、中一始めまでは俺と同じくらいの成績だったのに最近じゃランキング上位に張り出されるくらい頭が良くなりやがってる。
今思えば"憧れの先輩"話をするようになってからだった気がする。
持ち前の明るい性格と頭の良さで女子が惺音の話をしているのを最近良く耳にする。こいつはぶっちゃけモテる。この前なんて学園のマドンナで俺も密かに想いを寄せていた前田に告白されて振ったらしい。
そんな惺音が憧れる先輩はさぞかし美人でランクの高い女性なんだろう



「何だよ気持ちわりーな」


「いきなり気持ち悪いはないだろ!じゃなくて、テニス部ってどお?」


「どお?って言われてもなあ、普通だよ」


「ピンとしない回答だなぁ、ブン太先輩やジャッカル先輩以外の先輩たちとかどーなの?やっぱ厳しい?」


「そりゃあな、ガミガミオヤジみたいな先輩もいるし、生真面目な人とか何考えてんのか分かんねー人とか、騙してくる人もいるしな」


「へー楽しそうじゃん。テニス部ってマネージャーとか募集してないの?」


「さあなー。何、お前マネ希望?」


「うん、最近テニス知識ついてきたし、やってみようかなって」


「じゃあ今日一緒に部長のとこ行こうぜ」












《side…柳生》




放課後、部室にて



「ちーーっす。幸村部長いますかー?」



部室の扉からひょっこり切原君が現れ幸村君を呼ぶ



「どうしたんだい赤也」


「こいつ、マネージャー希望らしいっす」



そう言い、切原君が中へ案内したのは



「し………っ!!!」


惺音君……!!
叫びそうになったのをなんとか抑える



「おっ、惺音じゃねーか」


「お前マネージャーになるのか?」


「丸井先輩!ジャッカル先輩!どうも!俺テニスについて色々勉強したんでマネージャーになれたらなーって」



そう二人に言うと幸村君に向き直す



「狩沢惺音です。大会が近いみたいなのでみんなをサポート出来るようにマネージャーになりたいです!」


「俺は部長の幸村精市、よろしくね。
赤也の友達で丸井とジャッカルとも知り合いかぁ、うん、大歓迎だよ」



幸村君はにっこりと受け入れ、惺音君もホッとしている



「けど、、」


「?」


「君、選手には興味ないのかい?」



そう問われ惺音君はあたふたしだす



「俺知識あるだけでど素人なのでキツイですよ」


「少し赤也と打ってみるというのはどうだ?」



真田君の提案に皆が目を丸くする



「俺っすかぁ?いっすよ。手加減しねーかんな惺音」


「いやそこはしてよ」


「それでは着替えてコートに…」


「ちょっと待ってください」



真田君の言葉を遮り前に出る



「素人の彼がいきなり切原君を相手にするのは大変危険かと、ここは私がお相手しましょう」


「ヒロシ先輩…!」


「構いませんね、惺音君」



頬を赤らめ惺音君は元気よく返事をする



「ヒロシ先輩と打ち合えるなんて夢みたいです…急いで着替えますね!」












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