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long(RIKKAIA)
メガネくんのお昼の予定は








「柳生先輩おはようございます!」



朝、登校中の道中で元気な声が聞こえ振り返る



「おはようございます、狩沢君」



挨拶をすると狩沢君は拗ねたような顔をする



「どうかしました?」


「苗字じゃなくて、下の名前で呼んでくださいよ」


ずいっと顔を近づけられ焦る


「し、惺音君、ですか…」



名前で呼ぶとニコーっと満足そうに笑う



「へへっ、先輩俺の下の名前覚えててくれたんですね。嬉しいです。俺もヒロシ先輩って呼んでいいですよね」



もはや疑問系ではなく決まった事を確認するような問いに「ええ、どうぞ」と答えると「ありがとうございます!ヒロシ先輩大好き!」と言われ慌てる



「狩沢君、人がいる中でそうゆうのは…」


「ヒロシ先輩今日一緒に昼ご飯食べましょう」


「聞いてない…」


「それと狩沢君じゃなくて惺音ですよ!」


(聞いてたんですね…)



学校に着き、「それじゃあお昼に中庭でー」と強引に約束を取り付けられる


昼休み、約束をしてしまったものは無視するわけにもいかないので中庭に行くと惺音君が木陰のベンチに座っていた



「お待たせしました」


「先輩!来てくれたんですね!」


「ええ、まあ…」


「嬉しいです。ささ、食べましょ」



お互い弁当を広げ昼食を食べ始める。惺音君のお弁当は毎朝母親と作っていて家族仲がいいらしい。兄弟の話を聞き、高校生のお兄様がいる事を知る



「そういえば惺音君はどうして私の事を好きになったのですか?」


「ヒロシ先輩、それ聞いちゃうんですね」


「ええ、やはり気になりますから。聞いてはダメでしたか?」


「大丈夫ですけど、恥ずかしいなー」



ヘラヘラと笑いながら色素の薄い瞳がこちらを向き、形の良い唇が開く



「運命を感じたんです」


「……はい?」



惺音君は恥ずかしそうに顔を赤くしながら目を逸らす



「入学式の前の日に図書館で本を借りようと高い所にある本を先輩に取ってもらった時に俺、一目惚れして、同じ学校だってゆう事を知って運命を感じたんです。それに先輩、テニス部に入ってからさらにかっこよくなったし、遠くからいつも見てたんですけど、テニスしてる姿もめちゃめちゃ素敵です」



図書館での出来事は覚えていないが、しかし褒められて悪い気はしない



「この前だって、図書室で俺の前座ったじゃないですか、絶対俺と先輩何か縁があるんですよ!それで告白しなきゃってなったんです」


「それであの日突然私に想いを告げたのですね」


「振られちゃいましたけどね。けど俺諦めてないんで、絶対先輩を好きにさせます!」


「私が言うのもおかしいですが、頑張ってください。期待してます」



そう言うと「ホント、先輩が応援するのはおかしいですよ。けど、任せてください!」とにへらと笑いかけられ私も自然と顔が綻ぶ

そんな二人、初めてのお昼休み












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