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long(HYŌTEI)
楽しいクラス







今日は僕の初登校日
跡部が通ってる学校ってすごいらしいから楽しみだなあ



「機嫌良さそうだな」


「うん、跡部と一緒の通学路嬉しい」



繋いでいた手に少し力を入れてみる



「そうか」



優しく微笑み頭を撫でてくれる



「それと、跡部じゃなくて景吾な」


「努力しまーす」



僕は呼びやすいからずっと跡部って呼んでるんだけど、跡部は何故か名前で呼ばせたがる。

(イギリス生活が長いからファーストネームの方が呼ばれ慣れてるのかな?)

この距離だって最初は慣れなかったけどやっぱり向こうの人って仲良くなればこのぐらいの近さは普通だったりするんだよね

そう考えている間に氷帝学園へ到着する



「やっぱり大きいなあ」


「迷子になるんじゃねーぞ。ま、これからは俺様が常に一緒にいてやれるから大丈夫か」


「職員室行く前に散歩したい」


「そうだな、HRまでまだ時間はある。回るか」



歩いている間、周りからアトベサマっていっぱい聞こえたから跡部って人気者なんだなぁって少し感心した。
今日は日差しがきつくないから過ごしやすそうだなあ。いい日になりそう



「そろそろ職員室向かうぞ」



頷き跡部に着いて行く。
職員室の扉を開き挨拶をすると、一人の教師がこちらに来て自己紹介をしたので僕も自己紹介をする。
教師に連れられて教室へ案内される。
三年のフロアに着き僕と教師は跡部とは別方向へ方向転換すると跡部に引き止められる



「どーしました?A組はこっちですよね」


「僕A組じゃない」



先生の代わりに答える



「………は?」



あ、跡部が目を丸くしてる。面白い



「ほら」



昨日もらった書類の3年C組卯月澪と書いてある表を見せる



「どうゆう事です?俺様と澪が同じクラスじゃないなんてありえねぇ。何かの手違いだ」



教師へ問いただそうとする跡部を冷静に止める



「手違いじゃないよ。僕が跡部にバレないように頼んでたから」


「澪が頼んだ?何故だ」


「だってA組って……人多すぎ。僕多分慣れない。HR遅れちゃうよ」



ぽかーんとしている跡部を放って自分の教室へ向かう。

先生の紹介の後に入ってきてと言われ廊下で待機する。教室内は期待の声で溢れている

(ああ、緊張するなあ。やっぱり跡部と同じクラスの方が良かったのかなあ)

でもクラス多過ぎるのも嫌だしなあと考えていると先生に呼ばれたので教室に入る。
入った瞬間教室がザワッとしたけどこの見た目で15年やってきたんだ、今更気にしてられない。



「卯月…澪、です。よ、よろしく…お願いしま、す」



自己紹介が終わり一瞬シーンとしたかと思うと拍手の音に包まれる。
窓際の席は辛いということで廊下側の一番後ろの空いているところに新しい席を作りそこが僕の席になった。隣の席の人に挨拶しようと思ったけど寝てたから話しかけられず、代わりに寝ている人の前の席の人に話しかけられる。



「そいつ、いつも寝てんだよ。起こしても無駄だぜ。あ、俺は宍戸亮だ。よろしくな卯月」


「よ、よろしく…!」


「それ地毛か?」


「う、うん。一応…」


「かっけぇな」



ニカっと笑いかけ、真っ直ぐに褒めてくれて少し照れた。
HRが終わりしばらく宍戸くんと話していたら、一人、二人とどんどんクラスメイトが集まって来て、質問攻めに答えたりしているうちに授業開始のチャイムが鳴る。その時ずっと寝ていた隣の席の生徒が起きて「人形さんがいるー!」と叫び先生に教科書で叩かれると同時に教室中笑いが巻き起こった


(楽しそうなクラスでよかった)












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