long(RIKKAI@)
上機嫌と飴玉
《side柳》
部活の休憩時間、少しコート外をうろついていたら羽月を見かけた
「羽月」
「あ、柳くん。部活終わったの?」
「今は休憩時間だ」
「お疲れ様。飴あげる何味がいい?」
掌に広がるカラフルで小さな飴玉
「ありがとう、それじゃあもらおう」
レモン味を受け取るとふわりと笑う羽月
同じクラスとはいえ席は離れていて休み時間や放課後には仁王に連れていかれてしまうため、あまりこいつとは話したことがなかった
「部活大変そうだね」
「ああ、大会を控えているのでな」
「柳くんはレギュラーなんだよね、ここのテニス部って強豪だし毎年負けなしですごいな。練習風景もすごいんだろうなぁ」
「お前は練習見に来たりしないのか?」
「うん、気が散っちゃうだろうし邪魔しちゃ悪いかなって」
だからいつもコートの近くで見学しながら待つのではなく図書室で待っているのか
「興味があるのならば、たまに見に来るといい。きっと仁王も喜ぶだろう」
「えっ、大丈夫かなあ」
「ああ、今度見に行ってもいいか聞いてみるといい。それじゃあそろそろ休憩も終わるので俺は失礼する」
「うん、ありがとう柳くん。部活頑張って」
「こちらこそ飴ありがとうな」
羽月と別れコートへ戻る道を歩く。
羽月空風、彼と話していると不思議と心が落ち着いていく。仁王が気に入るのも分かる気がした
十分な休息が出来たと満足し、羽月からもらった飴を口にいれる。甘酸っぱい味が口に広がり残りの時間も頑張ろうと気合が入る。
(柳先輩なんだか機嫌いっすね)
(あー!飴食ってやがる!俺にもくれ!)
(悪いが貰いものだから俺は持ってないぞ)
(ずりぃ!)
(………)
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