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long(RIKKAI@)
看病と複雑







親に今日は友達の家に泊まると連絡を入れ、卵粥を作る。今日のあいつは熱のせいか甘えたで、男に対して思うことではないが可愛いなと思った。いつも落ち着いていて余裕あるあいつの違った面が見れて、なんだかモヤモヤしたなんとも言えない気持ちになったが、卵粥がいい感じの柔らかさになり出来上がったので気持ちを切り替え出来上がった卵粥に梅を乗せ、レンゲと一緒に部屋まで持っていく。

部屋の扉を開けると規則正しい寝息をたて静かに羽月は眠っていた。
気持ちよさそうに眠っていたので起こすのは気が引けたが、薬も飲まないといけないので小さく肩を揺する




「羽月、起きんしゃい」




んー?と目をこすりながら眠そうな目がこちらに向く




「ん、仁王くんおはよ。」



「おはようさん。飯、出来たぜよ」



「ありがとー、いい匂い」




あくびをしながら起き上がろうとする羽月の背を手で支え起き上がらせる
素朴な味の粥を羽月は美味しい美味しいと食べてくれた。




「ごちそうさま」



「残さず食べれたか、えらいえらい。汗かいてるじゃろうから濡れタオル持ってくる。薬飲んどきんしゃい」




食べ終えた小鍋を片し、濡れタオルを準備して部屋へ向かう。
自分はこんなめんどくさいことを進んでテキパキ出来る世話焼きだったかと考えるがきっとこいつ限定であろう




「背中拭くから上脱ぎ?」



「拭いてくれるの?優しー」



「特別ナリ」




フフッっと上機嫌で服を脱ぐ
陽に当たらない肌は白く、自分と比べて細めで筋肉も少ない羽月の背中が向けられる
タオルを当てると気持ちよさそうに腰をしならせる




「んーっ、気持ちいー」




その姿にキッチンで感じた不思議なあのモヤモヤした気持ちを思い出し、更に喉の奥がツンっとなる。鼓動も少しうるさい



タオル越しではなく直接触りたい



そんな考えが頭をよぎり急いで取り払う




「仁王くん?どうしたの?」




いつの間にか動きが止まっていたらしく羽月が心配そうにたずねる




「悪い、お前さん細いと思ってな」




冷静を装いとっさに言い訳をする




「筋肉つけたいのになかなかつかないんだよ。仁王くんは運動部だし筋肉あって羨ましいな」




振り返りタオルを持っていた腕をペタペタと感触を楽しむように触られる



(おいおい俺が我慢してるってのに勘弁してくれ)

モヤモヤが大きくなる。喉が乾く。頭がクラクラする。
もしかしたらこいつの風邪をもらってしまったのかもとか考える
唾を飲み大きく息を吸い心を落ち着かせる




「こら、まだ途中じゃろ」



「あ、ごめんごめん。じゃあ引き続きおねがいね」




それからは何も考えないようにしながら羽月の身体を拭いていく。
脚などはさすがに羽月に自分でやるよう渡した。拭き終わって俺も風呂を借り、冷水を浴び心と少し昂ぶっている下半身を落ち着かせる。さすがに人の家の風呂場で抜くのはまずいだろうとキツいが落ち着くまで手をつけず待つ


何を考えているんじゃ俺は。
羽月は男だぞ、いくら一緒にいて落ち着く存在だからといってこんなことを思うなんて



風呂から上がり部屋に戻ると羽月はまだ起きていてベッドに座り本を読んでいた




「風呂、ありがとな。まだ起きてたんか」



「言っておかないといけないことがあって。あのね、俺友達家に泊めるの初めてだから予備の布団がなくてね、だから仁王くんが嫌じゃなければなんだけど一緒のベッドで寝る事になるんだけど大丈夫かな?俺のベッドまあまあ広いしそんな狭くはならないと思う」




申し訳なさそうに言う




「全然嫌なんかじゃなか。大丈夫じゃ」




泊まるのが俺が初めてとゆう事実が嬉しくて、羽月の頭を撫でながら承諾する




「よかったあ、それじゃあ寝ようか」



「ああ、おやすみ」



「おやすみ仁王くん」




部屋を暗くし、ベッドへ入る。しばらくして寝息が静かに聞こえてきて暗闇に慣れた目で羽月をちらりと見る

長い睫毛、スッと通る鼻筋、少し開かれた薄い唇、俺がよく触る指通りのいい黒い髪
最初見た時から思っていたが改めてこいつは美人さんだなと思う。
今日は色んな気持ちが入り乱れたがきっとこいつの風邪をもらってしまったんだと解決する
羽月の髪をかき分けおでこに手を当てる
うん、熱は下がってきたみたいじゃな
安心して俺も目を瞑り眠りにつく。


次の日すっかり元気になった羽月によかったと思いながらも体調を崩していない自分にまた複雑な気持ちになる仁王であった










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