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long(RIKKAI@)
好奇心と図書室







《side立海》




「お疲れさん。お先ー」




部活が終わり颯爽と部室を出る仁王




「最近仁王くん帰りが早いですね」



「確かに気になるっすね、調べてみます?」



誰もが思っていたであろう疑問を口にする柳生とそれに対して無邪気な顔で提案する切原




「おっ、いいねー!賛成賛成!」




いち早く食いつく丸井




「……。」




そういえばこの前、今日は部活があると言った仁王にじゃあ先に帰るねと羽月が言ったら仁王は見るからにしょんぼりとしていて、それを汲み取ってか羽月が「そーいえば返却日が迫ってて読み切りたい本があったんだった。やっぱり部活が終わるまで図書室で待ってるよ」とかゆうやりとりが繰り広げられていたな。
確か仁王が部活を終えて早々に部室を出るようになったのはそれからだったと思う。


と考え込む柳。




「どうした?蓮二」




柳が考え込んでいると真田に声をかけられる




「いや、仁王は図書室へ向かった確率が高い」



「図書室?本なんか借りる奴かあいつ」




不思議だと言った顔をするジャッカル




「まあ行けば分かる」




そうして一行は仁王を尾行することになった
「尾行などたるんどる!」なんて最初は言っていた真田だったが、なんだかんだついて来ている。




「やはりここか」



「よーし!行ってみよーぜぃ」



「丸井君、声が大きいですよ」



予想通りと言う柳に興奮気味な丸井とそれを注意する柳生




「そーっすよ!バレたらどーすんすか!」



「赤也が一番不安だがな」



「そーゆー副部長だってヘマしないでくださいよ?」




そんなやり取りをしながら図書室を覗く





「待たせたな、退屈したじゃろ?」




そこには落ち着いた雰囲気で本を読んでいる男子生徒と、それに歩み寄る仁王の姿



「ううん、新しく借りた本が結構面白くて、夢中になっちゃってた。部活お疲れ様、仁王くん」



「ほーか、待っててくれてありがとさん」



そう言いながら羽月の頭をくしゃりと撫でる仁王、それに対してふわりと笑う羽月。




「な、なんだありゃ」



「なんだあの仁王の緩みまくりな顔、キモっ」




ドン引きなジャッカルと丸井。




「仁王君をあんな表情にさせる彼は一体」



「やはり興味深いな」




興味津々な柳生と柳




「俺、なんだか見てるだけで恥ずかしいっス」




そう言い顔を手で覆い指の隙間からその様子を見る切原




「仁王の奴!たるんどる!!!」




そう真田が大声を上げ、その場にいた全員が驚き真田を見る


もちろん、図書室の中の仁王と羽月も例外なく




「なんでおまんらがここにおるんかのう…」



「ちょっ、副部長なにしてんすか!」



「えっと…この人たちは?あれ、柳くん?」



「羽月、驚かせてすまない。俺たちはテニス部でお前の隣にいる奴の行動が最近怪しいので後をつけていた」




そう悪びれもなく言う柳に続きそれぞれが自己紹介をしていく
こうして突如としてテニス部員達と知り合いになってしまった羽月なのであった










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