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long(RIKKAI@)
君には敵わない







今日一日マサくんを避けてしまった。
マサくんと一緒にいてもどこか憂鬱で、
なのに帰りマサくんに俺の家に泊まりたいと言われ、俺は父さんがいればマサくん諦めるかなって思って父さんが帰ってくるからどうかなーって言ったんだけど、マサくんはちょうど父さんに挨拶したかったなんて言って無理矢理来られてしまったから呆気なく俺の嘘がバレた訳で、
家の中でも口数は少なく俺もそっけない返ししか出来ない。

さて寝るかと電気を消し、しばらく沈黙の時間が経ちもう寝たかと思った時、マサくんは起き上がり声をかけられる



「なあ空風、何か俺に言いたいことあるんじゃなか?」


「………別に…ないよ」


「俺のこと嫌いになったん?」


「…そうじゃ、ない」


「別れたくなった?」


「ち、違う…!!」



ダメだ、我慢してたのに涙が出そう
腕で顔を隠す
やだやだ。こんな弱い自分。



「言わんと分からんぜよ、空風」



優しく名前を呼ばれ顔を隠してた腕をどけようとされるが、頑なに顔を隠し続ける



「こんなこと言ったらマサくん、きっと俺のこと嫌いになる」


「ならんよ。俺がおまんのこと嫌いになるなんてありえんぜよ」



まっすぐな言葉に俺は黙ってしまう



「やき、ゆうてほしいのう」



頭をポンポンと撫でられ少し気持ちが落ち着く



「今日…」


「おん、」


「…マサくんが女子と話してるのを見てたら…俺なんかじゃなくて、ああゆう可愛らしい女の子がマサくんの隣お似合いなんだろうなって…マサくんはモテるのに、どうして俺なんだろうって…俺、マサくんのために身を引かなきゃって思ったんだけど、けど、俺わがままだからマサくんとやっぱり離れたくなくて…どうしたらいいかわからなくて……」


「……なぁ空風、顔見して?」



腕を掴まれ俺も抵抗をやめ、隠してた顔がマサくんに晒される。
俺の泣き顔なんて見つめてマサくんは微笑みキスをしてくれる



「俺のためを思うんやったらずっとわがままでいて、側にいてほしいのう」



ああ、まるで心を見透かされてるみたいに、いつだって君は俺の欲しい言葉をくれる。
どうしようもない嬉しさに俺はまた泣くことしか出来ない
俺、マサくんの側にいていいんだ。好きでいていいんだ。



「離れる言うても俺が離さんぜよ」


「そんな事言われたら俺だって君のこと離せなくなるけどいいの?」


「望むところぜよ」



挑戦的に微笑まれ俺も笑いかえす。
君には隠し事なんて通用しないし俺のダメなところも受け入れてくれる。どうやら俺は無駄な悩みをずっと抱えていたらしい
それを見抜ける君には敵わないなぁ











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あきゅろす。
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