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long(RIKKAI@)
おまんには敵わん










空風が消えた。どこを探しても姿は無く、どんなに呼んでも応えてくれない。誰に空風の存在を聞いても知らないと言う。
探し疲れた俺は空風と出会った屋上へ向かい、扉を開くと振り返りいつも通りに微笑みかけてくれる空風。ほら、やっぱり空風はいるじゃないかと手を伸ばしたら、触れる前にその姿もだんだん薄くなっていってしまう。「どこへ行くぜよ」「俺を置いて行くんじゃなか」「待ちんしゃい」「待つんじゃ」どんなに声をかけてもどんなに手を伸ばしても触れることは叶わない。



「夢………」



目覚めると自分は冷や汗をかき、呼吸も乱れていた。隣を見て愛しい姿を確認する。
規則正しい寝息を立て俺に寄り添うように寝ている。確かに存在している。だが、このまま目を覚まさなかったらとか考えるとどうしようもなく不安になったので、体勢を変え空風に抱きついてみると目を覚まし少し眠そうにしながらも声をかけてくれる



「マサくん?どうしたのマサくん」



温かい体温、心配そうに優しく俺の名前を呼ぶ声。ここにいる。空風は確かに俺のそばにいる



「怖い夢でも見た?」


「ん、」


「どんな夢だった?」


「…空風がいなくなる夢」



こんな事言ったら情けないと笑われるだろうかなんて考えたが、空風は
「怖かったね」と優しく頭を撫でてくれる。



「でも悪い夢は人に話せば正夢にならなくなるからもう大丈夫だよ」


「…ピヨ」



強く抱きしめればこちらに向き直し抱き返してくれる



「夢みたいなんは勘弁じゃ」


「大丈夫、俺は勝手にいなくなったりしないよ。ここにいるから」



額にキスされ再び眠気がやってくる。
いつしか俺のことを魔法使いと呼んだ空風だったが、俺にとってもこいつの言葉と行動は不思議な力が宿ってて魔法みたいだなんて寝ぼけてる頭でそんな事を考えてみる
全く、おまんには敵わんのう












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